- Loveuma.ができるまで -
引退馬問題を考えるサイト・Loveuma.は、
2022年7月にオープンしましたが、
開設の背景には、数え切れないほどの馬を思う人との
出会いがありました。
Loveuma.の発起人であり、運営責任者の
平林健一の言葉で、そのストーリーをご紹介します。

Loveuma.運営事務局
株式会社Creem Pan 代表取締役
平林 健一
1987年、青森県生まれ、千葉県育ち。現在は世田谷区の馬事公苑前に在住。 幼少期から大の競馬好きとして育った。自主制作映像がきっかけで映像の道に進み、多摩美術大学に進学。卒業後は株式会社Enjinに映像ディレクターとして就職し、2017年に社内サークルとしてCreem Panを発足。その活動の一環として、映画「今日もどこかで馬は生まれる」を企画・監督した。2021年にCreem Panを法人化し、Loveuma.の開発・運営をスタート。メディア制作を通じた引退馬支援をライフワークにしている。
物心つく前から、
競馬の虜だった。
青森県で生まれ、その後、父の仕事の関係で引っ越した千葉県で育ちました。
父は「競馬狂」といってもいいほどの、大の競馬ファンで、家には過去数年分の競馬新聞エイトと種牡馬辞典、馬券術の本などが置いてありました。
子どもの頃は毎日何かしらの競馬の本を読んでいた記憶があります。
週末は父と中山や大井競馬場に出向いたり、夏休みには北海道の馬産地にも足を運んでいました。
父の影響で物心がつく前から競馬の虜になっていた僕は、小学生になると競馬ゲーム「ダービースタリオン」にはまり、相当やり込みました。ゲーム内で愛馬を引退させると、GⅠ馬以外の牡馬は「乗馬として引き取られることになりました」と調教師から報告を受けます。今思えばおかしな話ですが、これにより僕の脳裏に「引退馬は必ず乗馬になるんだ」ということが刷り込まれていたのです。
引退馬問題を知る。
18歳の頃、初めてパソコンを購入しました。好きな競走馬のことを調べているうちに、引退馬の多くが行方不明になっていることを知ります。
「ダビスタのあれって嘘だったの!?」と、勝手に憤慨し、競馬を見たくないと思う時期がありました。しかし、武豊騎手が大活躍したり、ディープインパクトの衝撃に心打たれたり、やっぱり競馬は楽しかった。引退馬問題からは目を背けることで、その後も競馬ファンを続けました。
さらに10年が経ち、僕は映像ディレクターになります。
最初は周りについて行くのに精一杯でしたが、必死に働いて、結果も出て、役職にも就いた頃、ふと思ったことがありました。
「僕が本当に作りたいものって何だっけ?」
今思えば、ちょっとした燃え尽き症候群みたいなものだったのでしょうか。
その状況を打破したいと思い、当時勤めていた会社に頼み込んで社内サークルをつくり、映画を撮ることにしました。
6名ほどの有志が集まって各々が企画を出し合う中、僕は、10年前に目を背けた「現実」に、ここで再び向き合えたらと思い、引退馬問題を取り上げる企画を打ち出しました。
その企画が採用され、映画は「今日もどこかで馬は生まれる」、サークルは「Creem Pan」という名前に決まり、クラウドファンディングを経て、撮影が始まりました。