ノーザンレイク始動!
北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。
そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、
馬ときどき猫な日々を綴ります。
茨城県から北海道新冠町に引っ越しをし、引退馬の牧場ノーザンレイクを開場して今年の7月で丸2年が経過する。
牧場は、茨城から連れてきた自馬のキリシマノホシと、知人の紹介でやって来た通称・芦毛ちゃんの2頭、そして人間2人と2か月間限定の助っ人1人から始まった。

2020年7月15日、キリシマノホシが牧場に降り立った

牧場代表の川越靖幸

雑用係の佐々木祥恵


キリシマノホシ(上・牝16)と芦毛ちゃん(下・牝10)の2頭から始まった
今は認定NPO法人引退馬協会からの預託馬、メイショウドトウ&タイキシャトル、タッチノネガイ&タッチデュール母娘の4頭の馬たちに、メトとチビの猫2匹が加わって、随分賑やかになった。

メイショウドトウ(セン26・認定NPO法人引退馬協会所有)

タイキシャトル(セン28・認定NPO法人引退馬協会所有)

タッチノネガイ(牝20・ネガイちゃんの会所有)

タッチデュール(牝13・個人オーナー所有)

チビ(メス・左)&メト(オス)
5年空いていた牧場なので、引っ越してきた当初は全体的に草がボーボーで、到着した当日からしばらくは、牧場代表の川越靖幸と助っ人でひたすら草刈りをした。

草刈り前の敷地内の直線道路

現在の敷地内の直線道路
助っ人不在の現在もそれは延々と続いている。 放牧地に草があるのは当然だが、敷地が広くて自然溢れる環境とくれば、刈っても刈ってもそこかしこの草が情け容赦なく伸びてくる。一雨ごとにその勢いが増すので、やがて草刈りは完全に追いつかなくなる。 昨年は馬が増えたこともあり、草刈りに全く手が回らない時期があった。きれいに整えておきたい牧場入り口付近も草が伸び放題で、油断するとフキだらけになる。こうなると見た目にもみすぼらしく、人間のテンションも下がり、暗い気分になることも多々あった。
追い追い説明するが、牧場維持には想像以上にお金と労力がかかる。トラクターや手押しの草刈り機をなかなか購入できなかったというのも、仕事がはかどらなかった理由の一つだ。 今年はトラクターや手押しの草刈り機が手元にある。昨年より美しい牧場になるはずだったのだが、伸びてくる草の勢いに早くも押され気味だ。
養老牧場開設にあたって必要なもの(あくまでノーザンレイクの場合)
他にもまだたくさんあるが、とりあえず重要なものをリストアップ。
①刈払機
いわゆる草刈り機で、本文にもある通り、これが大きな戦力になった。
1台約2万5千円。

この2台が開設当初から大活躍
②トラクター
これ1台と何種類かのアタッチメントがあれば、草刈り、雪かき、牧草ロールを運ぶなど様々なことができるが、資金不足でなかなか購入できず、しばらくは人力及び、知り合いの牧場のお世話になった。
60馬力 応援してくれる方の支援もあって、100万弱で購入。

昨年11月、念願のトラクターがやって来た!
③軽トラック
広い場内で物を運ぶのに便利。

車検代だけで譲ってもらえた。
③給湯器
馬体を洗ったり、寒い時期は水ではなくお湯を飲ませる時などに使用。
これもすぐには取り付けられなかったが、冬前に設置。

④洗濯機
8キロと大きめの二漕式洗濯機。タオルや薄手の馬着などを洗う。
約4万5千円。

⑤洗い場
馬体を洗ったり、手入れをするのにあると便利。幸い水道が引いてあった場所があったので、廃材を利用して洗い場にした。

廃材を利用した急ごしらえの洗い場
⑥飼料
到着したらすぐに必要なので、飼料業者を開設前に見つけておく。

乾草(チモシーとルーサン)
⑦敷料
馬房に敷く寝藁もすぐに使用する。最初は飼料業者から購入。
⑧獣医師、装蹄師
何があるかわからないので、早めに探した。
⑨人脈
わからないことが必ず出てくるので、相談できたり何かあった時に助けてくれる人がいた方が良い。
⑩資金
恥ずかしながら、ノーザンレイクは充分ではなかった。
補修箇所や足りないものは次々出てくるので、いくらあれば充分なのかは正直わからない(苦笑)。
(つづく)
協力:ノーザンレイク・認定NPO法人 引退馬協会
文:佐々木 祥恵
編集:平林 健一・片川 晴喜
著作:Creem Pan
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