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メト・ドトウも思わず注目!暗闇に響く不気味な声の正体は季節の風物詩?


 

北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。

そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、

馬ときどき猫な日々を綴ります。

 



チビ&メト 仲良くしてたと思ったら😅


将来的に牧場内で、人数を限定してのお茶会を開きたいと考えている。馬を眺めながらコーヒーや紅茶を飲んだり、馬談義に花を咲かせる。現在行っている見学以外にも、そんな時間を作りたいと、想像を膨らませている。私自身が、馬や自然溢れる景色を前にしてコーヒーを味わうひとときにとても癒やされるというのがお茶会を開催する理由だ。


女子チーム放牧地を眺めながらコーヒータイム


新冠の奥の林道に湧き水を汲める場所があるのだが、お茶会にはその水を使用したいと思い、試しに汲みに行ってみた。ヒグマがいそうな路面がガタガタの林道を進んで辿り着いた先に水汲み場があった。ヒグマが来やしないかとキョロキョロしながら水を水筒やペットボトルに入れてそそくさと退散。林道を出ると川越が「昔釣りをした場所があるからちょっとそこ見てみよう」と言い、車を走らせる。途中にデントコーン畑があった。デントコーンがなぎ倒されていた箇所が目に入り、もしやヒグマが食べた跡では?と車を停めて降りてみると、そばのぬかるみにヒグマとおぼしき足跡を発見!生まれも育ちも北海道だが、初めて熊の足跡らしきものを見た。思わず写真を撮影したが、その途中で怖くなり、慌てて車に飛び乗って退散した。


ヒグマとおぼしき足跡


さて肝心の湧き水だが、雑味がなくてまろやかな味わいだった。とりあえず常飲しているインスタントコーヒーに使用してみたら、川越は酸味が強く感じたようだ。ということは普段使っている水道水で淹れた場合は、水に含まれている塩素などの物質でコーヒーに本来ある酸味が消されていたのかもしれない。勝手にコーヒー本来の味を出せる!と川越の感想を良い方に解釈し、お茶会を開催できた暁にはこの湧き水を使おうと心に決めた。


湧き水を汲む川越


水を汲んでガタガタ揺られて引き返しました


コーヒー入りのマグカップを手に窓から眺める景色もすっかり秋だ。馬産地にいらした方なら目にしたことがあるだろうが、角が立派な雄鹿が牧場内の空き放牧地を闊歩している。一瞬、どこかの馬が逃げ出したのか?と見間違うほど、大きな鹿もいる。雌に比べるとこの時期の雄は、黒っぽく見える。ヌタ場(沼田場)と呼ばれる場所で、自らの尿と泥を混ぜ、そこに転がって体中に泥尿?を塗っているのだ。尿による強烈な匂いと真っ黒い体で、雌にアピールしているのだろう。


厩舎からすぐの空き放牧地にも鹿が必ず現れる


鹿が栗を食べに来て確認に走るメト


脚のケア中、ドトウの視線の先に鹿


主に夕方から朝にかけては、雄鹿の鳴き声が四方八方から響き渡る。甲高い声から、ギーという低めの不気味な声まで、様々な鳴き声が聞こえてくる。新冠に引っ越してきた一昨年初めて耳に届いたのは、断末魔の声のようで、実に不気味だった。ネットで調べてみると繁殖期の雄鹿の鳴き声で、ラッティングコールと呼ばれていることがわかった。毎年鹿の数が増加していると言われているが、一昨年に比べ年を追うごとに牧場に現れる鹿の頭数も多くなっているように感じる。ラッティングコールも、一昨年より頻繁に、しかも鳴き声の種類もバラエティーに富んでいる。


暗闇に響くラッティングコール


馬産地日高で何年か過ごしていたメイショウドトウやタッチノネガイ、芦毛ちゃんは聞き慣れていただろうが、競走馬生活が長く、鹿の鳴き声とは無縁の場所にいたキリシマノホシやタッチデュールは何の声?と最初は驚いたかもしれない。今は夜通し続く鹿たちのライブを聴きながら、乾草を食んだり休んだりが自然にできているように思う。


夕方、馬たちはよく外を眺めています。この日はドトウと芦毛ちゃん


初めは不気味だった鹿の声も、今では季節の風物詩的な存在となった。自然溢れる環境の中での暮らしは不便なこともあるが、ある意味贅沢でもある。来場していただく見学の方にも、馬の魅力とともに少しでもそれを感じてもらえれば...。そんな思いで、いろいろ構想を練っている。


自然豊かな町であるがゆえ、新冠町の市街地に近い場所でも、10月11日〜13日にかけてヒグマが目撃されている。13日には新冠橋をヒグマが渡り、高江(ノーザンレイクも高江にあります)方面に向かったとのことで、我が家にも役場の方が来て注意喚起をしていった。時々自転車や徒歩で見学に来られる方がおられるのだが、ヒグマが近くにいるとも限らないので、しばらくはお車(タクシー含む)での来場をお薦めします。

(つづく)


 

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川越 靖幸(カワゴエ ヤスユキ)


 

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協力:ノーザンレイク・認定NPO法人 引退馬協会

文:佐々木 祥恵

編集:平林 健一

著作:Creem Pan

 


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