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タイキシャトル、いい加減にしなさいよ【牧場の一日】

ノーザンレイクの一日 その1

 

北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。

そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、

馬ときどき猫な日々を綴ります。

 

牧場の朝は早い...といっても、ノーザンレイクの朝はやや遅めだ。

まず6時過ぎに厩舎をそっとのぞいて馬たちの様子を確認。今日も無事朝を迎えられたことに感謝する。


朝6時頃、馬たちに異常がないか確認


6時45分頃改めて厩舎に行き、各馬に軽く乾草(ルーサン)を配り、本格的に仕事がスタートする。

ルーサン


食事中なので可能な馬は無口をかける。無口かけるのに一番手間取るのがタイキシャトルだ。無口のあちこちに噛みつき、スムーズに作業が進まない。多分筆者は甘く見られているので、川越より数倍時間がかかる。何回かそんなことが続いて思わず「いい加減にしなさいよ」と口をついて出るが、なぜかこの言葉の後はあっさり無口をかけさせてくれる。

無口をなかなかかけさせないシャトル


馬たちがルーサンを食べている間に肛門に体温計を入れ、約3分待つ。タッチデュールだけ体温計を入れようとするといやがり、蹴りの仕草をしたり、左右に動いたりするので、川越が左前脚を持って動きづらくした状態で私が体温計を入れている。1番最後のデュールの検温中に、川越がメイショウドトウの両後ろ脚の繋ぎ部分(ウチに来る前から、毛が生えなくなっていて炎症を起こしやすい)に、保護のためにワセリンを塗る。


尻尾を持ち上げて、

肛門に体温計を入れ、

体温計についている糸の先にあるクリップを尻尾に挟む。

ドトウにワセリンを塗る


デュールの検温が終わったら、いよいよ放牧だ。シャトルは筆者が放牧地の出し入れを行っているのだが、このところ元気が良く勢いがあるので、制御のきくハートばみを噛ませている。(技術のある川越はハートばみは不要)

ハートばみ


準備が整ったら、まずドトウ&シャトルが放牧地へ。次がタッチノネガイ&タッチデュール母娘。私が引くデュールが時折テンションが高くなるので、こちらにもハートばみを使用する。最後にキリシマノホシ&芦毛ちゃん。ここまで気を張って作業をしていたので、全頭の放牧が終わると、筆者はホッとする。この後は筆者が各馬の馬房用水桶をタワシで洗い、川越はポリタンクに水を汲んで軽トラで運び、各放牧地の水桶に水を入れる。ここまでが朝の作業の一区切りだ。


放牧後のメイショウドトウ

放牧後のタイキシャトル

設置された水桶

(つづく)


 

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協力:ノーザンレイク・認定NPO法人 引退馬協会

文:佐々木 祥恵

編集:平林 健一・片川 晴喜

著作:Creem Pan

 


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