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その本気さにホースマンが心動かされる「コジュウチョウサン」への向き合い方🐴👨🏻‍🦲🪷



かつて育成牧場の場長を務め、現在は曹洞宗妙安寺の僧侶。

「ウマのお坊さん」こと国分二朗が、徒然なるままに馬にまつわる日々を綴ります。


泥臭いホンモノの馬への愛


事前にSNSで拝見し、我妻さんの馬に対する愛情は感じていた。

自分のポニーに「コジュウチョウサン」というキャラクターを付与し、イベントを開催。

告知にも長け、活動が広がりを見せている。

地域行政やJRA、地全共(地方競馬全国協会)の協力を得て、今後さらに大きく展開しそうな気配だ。





そんな様子から、やり手のIT社長的な方を想像していた。

ちなみにここでいうIT社長の雰囲気とは、わたしの偏見に満ちた「無駄に清潔感に満ちた、何やら胡散臭く、口元が得意げな像」だ。

真摯にやっているIT社長さんスイマセン。

時代についていくことに疲弊し、いつか来るのであろう取り残される日に怯えるおじさんの、哀れな偏見として許していただきたい。


地域パトロール中のコジュウチョウサン
地域パトロール中のコジュウチョウサン

だから正直、我妻さんがここまで泥臭くやっているとは思わなかった。

90キロ以上の道のりを週の半分以上も往復する。

自分で厩舎作業もして、馬房は清潔なシェービングで満たされている。

放牧地は丁寧に整地され、ボロ一つ落ちていない。

与えた投げ草(乾草)の食べかすも毎日掃き集めるそうだ。

ポニー達の邪魔はしたくないので、必要以上に呼んだり触ることもしない。


出来得るすべてを馬にそそぐ、こんな生活を10年以上続けている「だけ」なのだという。

そしてこの本気度は、馬を生業としているホースマンにこそ突き刺さった。

触発された周りの発信力あるホースマンが動き、結果として広がりを見せている。


しかし本人のスタンスは変わらない。

あくまでも目の前の自分の馬が大事なのだ。

だからこそ本気で「周りの人に助けてもらっている」と言い切れる。

本気で取り組んでいる人の強さがここにある。


我妻さんと話せば話すほど、その謙虚な自信に感心してしまう。

そして鑑みて、自分の本気度に疑問符が付くのを否めない。

わたしは馬の為と言いながら、思い付きであれやこれや手を出しているが、その中途半端感たるや。


何かをとことんやり抜き、ほかの誰かと比べることなく、自信をもって発言できる日は来るのだろうか。


「中の人だったくせに、全然まだまだだね」


その日の晩、我妻さんの話をしている中で、自分のじくじくたる思いを某夫人(わたしの妻、ブログ内での呼称)に伝えると、こう言われた。

某夫人は、わたしの弱い部分を剝き出しにして、ほらこれでもか、と突きつける単語を抽出する能力に著しく長けている。

大幅にヒットポイントは削られるが、おかげで我に返ることはできた。


というわけで、わたしができる何か楽しいアイデアを募集します。

IT社長さん、お願いします。

(はなから他力本願)


*一般の方の見学は受け付けていません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。





文:国分 二朗

編集:椎葉 権成・近藤 将太

著作:Creem Pan

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