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エンターテイナー気質な神馬に振り回される御小人たちに、思わず笑ってしまった件について🐴

9 時間前
読了時間: 6分


馬のような謎の四足歩行生物「UMA」の産みの親である

イラストレーター・鷹月ナトが、

日頃の制作活動の舞台裏や、馬への愛を書き連ねる連載です。


相馬野馬追編4回目になります。今回で名残惜しいですが最後の回です。

どうぞ最後までお付き合いいただけますと幸いです。


駒取り竿を携えたお爺さんが三頭の馬のうち、何故(?)か最初は葦毛の馬を狙って度々振り下ろしていくのだが、中々当たらない。

何度も長い棒を振り下ろしているとお爺さんもバテてくるようで、段々振り下ろす時間が長くなっていき、泥沼化していく。


まるであざ笑うかのように草を食いながら逃げる馬達。
まるであざ笑うかのように草を食いながら逃げる馬達。



これはお爺さんの体力が無くなる前に水をつけれるのだろうか…そんな不安が出てくる中、ようやく馬に命中!

ついに待ってましたと言わんばかりに端にいた御小人たちが、馬達のいるとこに雪崩こむ。

御小人たちは水がかけられた葦毛の馬を積極的に狙っていく。しかし馬たちもわかっているのか三頭まとまって動き回るため、中々近づけない状況が続く。たまに馬のたてがみを掴んで背に乗っかるような感じでパフォーマンスを見せたりしつつ、どうにか葦毛の馬を抑えようとするのだが…


三頭の連携プレーなのか、予想以上に翻弄されまくる御小人達。園児たちの声援も定期的に聞こえるが、何度も叫んでるうちに頑張れから負けるなと、強めの語気になっていくのが若干笑ってしまう。あれ、今回割と苦戦しているのではなかろうかと、初めて拝見する私でも感じ始める。

いやそもそも裸馬を素手で捕まえること自体、難易度がかなり高いとは思うが…


これではキリがないと悟ったのか、二頭の馬を一部の御小人が抑えつつ、一頭に集中するというプレイスタイルに変更し始める。どうやら今回の神馬はかなりエンターテイナーなようだ。


二頭を抑えこむ御小人。二頭は若干寂しそうな顔である。
二頭を抑えこむ御小人。二頭は若干寂しそうな顔である。

この作戦でようやく翻弄し続けていた神馬の馬が捕まり、無事に紐を無口の形に結ばれて拝殿前へ連行されていく。捕まって立ち止まった後は「あーもう終わりねはいはい」と言わんばかりに大人しく無口をつけられていた神馬。やることはしっかり馬もわかっているようだった。


なお、神社に葦毛の馬が奉納されている間、二頭はそっちのけで草を食べていた…

一頭目の神馬が奉納された後は、一頭目と同じように残りの二頭も神馬にして捕まえていく。

そう、まだまだ野馬懸は終わらないのである。

お爺さんが再び駒取り竿を携えて、二頭に忍び寄る。草を食んでいた馬たちも流石に長い棒を見ると、走らずにはいられないようだ。先ほどとは違い、今度はどっちに当たっても良いやというようなそぶりで竿を振っているように感じるが、これも多分偶然である。


取りつくのも勇気がいると思うが、果敢に向かっていく御小人達はかっこいい
取りつくのも勇気がいると思うが、果敢に向かっていく御小人達はかっこいい

二頭目も激しく動きながらも、なんとか確保していく。御小人達。

残るは鹿毛の馬一頭になるのだが、一頭になるとこれはこれで難易度が上がっていく。

三頭も入っていた広場が一頭になると、竿から逃げる際の動きもかなーりダイナミックになる。空間をうまく使い始める馬。それとの攻防がジリジリと再びお爺さんの体力を奪っていく。


最後あたりは体力的にかなり苦しそうな感じではあったが、静かに見守っていた周りの観客からも少しずつ声援が出てくる。これが励みになったか、最後の馬にもようやく命中した。


ひたすら竿から逃げるために駆け回る馬と、追いかけながらしなりまくる竿。
ひたすら竿から逃げるために駆け回る馬と、追いかけながらしなりまくる竿。

最後のひと仕事と駆け出す御小人達。一頭になってからは群れていないのもあってか、これでもかと走り回る馬に再び翻弄されまくる。馬も最初の一頭目とはまた違う動きをしているのもまた面白い。


さて、また首あたりにしがみつこうとする御小人なのだが、バランスがとれず一人地面に投げ出されてしまう。

地面の上に投げ出され一度伏してしまい、即座に立ちあがろうとする御小人…なのだが…




水ーーーーーーーーーーーッ!!!!!!😡


なんだか大袈裟に確認し始める他の御小人。

端から聞こえる怒号。それを聞いた立ちあがろうとした御小人、再び地面に伏しなおす(?)

なんだなんだと思いながら見ていると、そこに例のバフがついた神水が入った木桶がやってくる。

アッこれは…(察し


ザバーーーッと躊躇なくぶっかけられる。
ザバーーーッと躊躇なくぶっかけられる。
復⭐︎活
復⭐︎活

そう、相馬野馬追の中の人のXアカウントでたまに見ていた御小人が水をぶっかけられるシーンが、目の前で起きていた。すっかり熱中症対策か何かでぶっかけられていると思っていたのだが(実際その側面もあったりする)、これは蘇生効果のバフがついた神水である。

たとえ馬から投げ出されたとしても、この通り。

水をかけられる前に立ち上がりかけていた気がするが、偶然である。


観客達や、周りで見守っている侍達もこの光景に笑い始める。そしてこれエンタメだったのかと膝を打つ私。

復活した御小人は泥だらけになりながらも、再び果敢に馬に飛びついていくのであった。


そうして最後の神馬も捕まり、三頭全ての神馬を奉納し終えたのであった。頑張ってもう1日滞在して本当に良かった。見たかったものを沢山摂取できて大満足である。


このあとは捕獲した神馬の競りがかけられ、例大祭の式典が行われる。



式典後は、神馬が駆けていた広場より、更に奥の広場にて小さな神旗争奪戦が行われる。

先日の争奪戦より規模が小さく、鞍上の侍達も子供や、若い人たちが多い印象だったが、再びエンカウントした相馬野馬追の中の人曰く、こちらの神事は後継者を育てるために行われる、練習用の争奪戦としての側面が強いとのこと。

後継者育成も地域あげて行われているのは、伝統を守る上でも非常にしっかりしているなと感じた一面でした。


しかし飛行機の時間もあったため、残念ながら最後まで見届けることはできず、争奪戦が行われる前に撤退。中の人ともここで別れをつげるのだった。神事ごとに詳細を教えていただけて、本当にわかりやすく、どういう意味がある行事なのかが把握できました。この場で改めてお礼を申し上げます。


小髙神社から出たあと、駐車場に向かってく中、花火のような音が裏から聞こえてくる。空には争奪戦の時のように若干低めではあるが、広場から打ち上げられた旗が煙と共に展開され、広場へ再び降り落ちていくのが見えた。


馬の町であり、鎌倉時代からの伝統が今も続く南相馬。

今回事故が起きてしまったりと、怪我とは中々無縁ではいられない行事ではあるが、度々改善点を見直していき、町の人たちも馬と共存しながら、野馬追のために毎年準備し、戦場に励んでいる。伝統文化である神事はこれからも続いてほしいと思いつつ、やはり存続のためには現代風に形を変えたり、工夫していかないといけないということを2回目の観戦で大きく感じるところであった。

3回目もまた機会があれば是非見に行きたいところだ。




文:鷹月 ナト

編集:椎葉 権成 黒田 航大

著作:Creem Pan


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