馬は人の心を写し出す鏡 by 那須野マコさん

「withuma.」vol.31 那須野マコさん

Profile
お名前:那須野マコさん
ご年齢:34歳
居住地:栃木県
第31回は、那須野マコさん、元乗馬クラブスタッフで現在は美容師をされている女性です!
いったいどのような「withuma.」を送っていらっしゃるのでしょうか?
那須野マコさんの「withuma.」

元々乗馬クラブのスタッフをやっていました。
現在は職を離れ、お金と時間の余裕がある時に気に入っている乗馬クラブさんで乗馬を楽しむ一般のファンです。
Twitter上では馬についてのアレコレを時折呟いたり、時々馬の絵を描いたりと、とにかく何かしら馬に関わっていたいという感じです。
自分の言動が少しでも馬の為になるならばと、日々考えています。
一言で言ってしまえば、単なる馬バカ……と言ったところかもしれません。
私が馬と関わるうえで大切にしていることは、「馬は人の鏡だ」という意識です。
人のメンタルが乱れていれば、それに付き合ってくれる馬の精神状態も引っ張られてしまうので、何かうまくいかないなと思った時には我が身を振り返ってみます。
そして馬と関わるという事は、「馬の向こう側にいる人達」とも関わるという事を忘れたく無いですね。
馬にも、馬が好きな人にも、優しいライダーでありたいなと思います。
優しい人が穏やかに触る馬は、やっぱり優しく育ちますから。
悪意やネガティヴはなるべく持ち込まないようにすることが大切だと思います。
「馬は人の鏡だ」という意識、確かにおっしゃる通りかもしれません。
上手く指示が伝わらない、思うように動いてくれない時、馬にイラっとしてしまうことがありますが、たいていはそんなイラっとしてしまう自分の精神状態に問題があるときですよね。
馬を含めて感受性が豊かな動物は、飼い主の精神状態を予想以上にキャッチしているし、それを行動で返してくれます。まさに”鏡”だと思います。
そして、「向こう側にいる人達」とも関わるという意識も大切だと感じました。
馬を通して人とつながる、馬は人を繋げる力を持っていると感じます。
馬に対してどう接しているかで、つながる人も変わってきますよね。
沢山の人がいる中で、私と出会ってくれた馬と人には、心から感謝したいです。
那須野マコさんの「Loveuma」
元々小学校高学年時の虐めから、玄関を一歩でも出ればひどい過呼吸で倒れてしまうような状態になり、なんとか外に出るきっかけになればと、父が乗馬をさせてくれました。
自分よりもずっと大きな力強い生き物が寄り添ってくれるその感覚にすぐに惹き込まれ、中学を卒業してすぐに馬の世界へと飛び込みました。
毎日一緒にいる中で、彼らの性質を理解し、人と馬というよりは、「いのち対いのち」として溶け合い、共存したような時間を過ごしました。
馬は、学べば学ぶほど、人にとっては奇跡のような存在だと思わされます。
まさに、禁断の「馬薬(まやく)」ですね。
その後も不思議なことに、幾度となく「もう馬に関わるのはやめよう」と思いましたが、何かしらキッカケがあり引き戻されてしまいます。
自分が携わってきた馬は、馬種問わず全員お気に入りで大切な存在です。
もう「こちら側」には居ない子も多いですが、今でも鮮明に一頭一頭思い出せます。

競走馬で一頭挙げるなら「リフレイム」ですね。
私が再度競馬を見るキッカケ、馬を好きになるキッカケ、今ある馬の縁を結ぶスタートとなってくれました。
全て彼女が居たから今があると言っても過言ではないくらいです。
好きが高じて、競馬雑誌の優駿さんにイラストを投稿し、掲載していただくという貴重な体験までさせて貰いました。
今見ると拙いイラストですが……。

私にとって彼女は、『芦毛の女神』ですね。
ご自身のつらい経験から、「ホースセラピー」の効果を実体験で感じられたのですね。
もしあの時馬に出会ってなかったら…という方はたくさんいらっしゃるのではないかと思います。
リフレイムは、去年のフラワーCで、私が応援しているホウオウイクセル号と一緒に走っていたのを覚えています。
それから、パドックで小休憩していた姿がSNSでも話題になりましたね。
ちょっとじゃじゃ馬娘な印象です。(笑)
リフレイム(Reframe)という単語は、「再び形作る」という意味だそうです。
那須野マコさんを再び競馬へと招き入れてくれた馬、何かリンクするものを感じました。
引退馬問題について

時間とお金の許す限り、自分が良いと思える乗馬クラブさんへ行き、乗る事。
ずっと馬を、乗馬を、好きでいる事。
少しでも誰かに届けば良いなと、Twitterにて馬についてポロポロと呟く事。
最近では、家族で自営業をしているお店に、引退馬関連のリーフレットも実験的に置き始めました。
このくらいしか今は出来ませんが、逆に、これくらいの事をずっと続けた先に、支援を募らなければいけないほどの認知度ではなく「当たり前に馬がいる世界」があるのかなと思っています。
「動物の問題は、そこに関わる人の心の問題」だと思います。
ですから、馬に関わる人の心をきちんと守りながら、新しいチャレンジをしていくことが大切だと感じます。
そしていつかその命が尽きる事を責めない事。
馬が憎くて馬に携わる人は居ないはずで、身近に居た人が一番悲しんでいますから。
引退馬に関心を寄せる仲間同士で叩き合い、仲間を減らしてしまわないように、ただ上っ面の「可哀想」に惑わされないように、きちんと情報を精査する力と、優しい表現方法を一人一人が身に付けることが出来れば、馬達の未来は今より明るいものになるのではないかなと感じています。
よく、「どうやって引退馬を支援したらいいかわからない」という方を目にします。
引退馬を自馬として迎え入れる、金銭的な支援を行うということも勿論素晴らしい支援であると思うと同時に、私は那須野マコさんのされている活動も、一つの支援の形だと感じます。
Withuma vol.28「中央・地方に次ぐ第3の競馬、元ジョッキーが手がける「ソフト競馬」とは⁉︎」で、ソフト競馬代表の福元弘二さんが、「引退馬問題を解決するためには、引退馬の活用・保護に留まらず、まず『馬事文化』から応援・支援していかないといけないと考えている」と仰っていました。
私も同意見で、馬事文化を支える、広める、それもとても大切なことだと思います。
まずは等身大の自分が今できることから始めていくというのが、人と馬の明るい未来への確かな一歩であると考えます。
今回は、元乗馬クラブのスタッフの那須野マコさんの「withuma.」を伺いました!
毎週定期更新してまいりますので、次回もよろしくお願いいたします!
「withuma.」では、馬にまつわる活動や、その思いについて発信していただける方を募集しております。
リモート取材は一切なく、専用フォームからアンケートにお答えいただくと、その内容が記事になります。
今後も「withuma.」を通して、引退馬問題前進の一助となれるよう、微力ながら馬事産業・文化に携わる人を発信していきますので、是非皆さまからのご応募をお待ちしております!
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協力:那須野マコさん 取材・文:片川 晴喜 編集:平本 淳也 著作:Creem Pan
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マコさんの手。
お馬の鼻面にふわっと何気なく添えられている感じなのですが、ドキン❣️とするほどの “やさしさ” と “気づかい” が伝わってきます。
注目したのは手指全体の柔らかい表情と爪の長さ。触れる相手の皮膚を傷つけないように、適度な長さに爪を切り揃えておられますが、こうした配慮は現在のご職業(美容師さん✨)にも生かされていることが想像できます。
手の爪が伸びすぎていると騎乗時に安定した「拳」が作りにくいので、手綱の操作にも影響しますよね。
また、「かわいい~💕」と撫でた時、お馬の耳や顔の敏感な部分をうっかり引っかいたり突っついたりして「無礼者💢⚠️」と嫌われることも。(経験アリ😓)
生き物に接する時の心の持ちようは、触れる手のかたち一つにも表れる。
馬たちはきっとそれを感じ取って、人間への信頼を深めたり失ったりするのだということを、改めて考えさせていただきました。
以上、写真があくまでも「マコさんの手」であると仮定してコメントしましたが、もし縁もゆかりもない他の人の手なのだったら、その方にマコさんからコメンテーターの意図を伝えていただければ幸いです。( ☜ 丸投げ御免🙏🏻)