メイショウドトウ、2か月ぶりの放牧に軽やかステップ🐴🎵術後の食生活についても解説🥕🧐
北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。
そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、
馬ときどき猫な日々を綴ります。
4月16日、今季初めてノーザンレイク自慢の草刈り機まさおが発動した。場所はドットさん(メイショウドトウ)が普段使用している広い放牧地。ドットさんが食べやすいように草丈を調整した。
ノーザンレイクの貴重な戦力、草刈り機まさお
草刈り機まさおチェックに余念のないメト(2023年8月)
翌日午後、ドットさんは2月22日以来、久し振りに広い放牧地に放たれた。放牧地に向かうドットさんを女子チームが出迎えた。はじめキリシマノホシが「あっ、出てきたのね」という感じで反応して、奥で草を食んでいたタッチデュールとアシゲチャンが柵際に走り寄ってきてドットさんを歓迎していた。(不思議ちゃん傾向にあるタッチノネガイは草を食べ続けていた)
久し振りに放牧地に向かうドットさんに気づいて歩いてきたキリシマノホシ
軽やかなステップのドットさんを歓迎するタッチデュールとアシゲチャン
パドックで新芽が食べられるようになった時もはしゃいでいたが、広い放牧地では弾むような足取りでしばし地面の感触を確かめていた。そして美味しそうに草を食み出した。馬にとって生えた草をむしりながら食べるのが1番なのかもしれないなと思いながら、ドットさんの様子を撮影した。
むしりながら草を食べるのが1番なのかもしれない
ここでドットさんの食生活について説明をさせていただく。
まず手術前と食生活が全く同じに戻ることはない。
未消化の硬い繊維(主に乾草などの硬い茎の部分)が結腸付近に詰まったのが疝痛の原因だったので、硬い部分のある乾草を与えられないからだ。
ルーサンの中に硬い茎の部分がある
積み重なったルーサン
硬い繊維が詰まった理由としては奥歯がすり減っていて十分に食べ物をすり潰せないこと、水分量が不足していたことなどが考えてられる。なので獣医師や飼料屋さんと相談して、現在はスーパー繊維とも言われているビートパルプ(甜菜糖の絞りかすをペレット状にしたもの)や消化の良いシニア用の配合飼料、チモシーの切草(チモシーの感乾草を短くカット)などを十分に水やお湯に浸して柔らかくし、それにルーサンの乾草を粉状にしたものやリンシードオイルや米油、整腸剤や消化酵素を加えた飼い葉を与えている。幸いドットさんは食欲旺盛なので、毎食飼い葉桶を舐めるように食べている。ちなみに水分を飼い葉からも摂取できるように、ビートパルプなど飼料を浸す水やお湯は多めにしている。
ビートパルプ
チモシーの切り草とルーサンの粉乾草
手術前は飼い葉桶の食事以外に、いつでも食べられるように馬房に吊ったヘイバックに乾草を入れていたのだが、前述したように今は乾草を与えられない。なのでお腹が空くと馬房に敷いてある敷料を食べる可能性があるので、消化の悪い麦稈から口にする可能性の少ないウッドシェービングに敷料を変えた。けれども食欲旺盛なドットさんは、ウッドシェービングも口に入れようとするので、馬房内ではいまだ口籠を装着しているというわけだ。(ドットさんが裏戸から外を眺めていたり、ボーッとしている時間帯はなるべく装着しないようにしている。ただし誰かが厩舎内にいて目が行き届く時に限る)
乾草を入れるヘイバッグ
麦稈とウッドシェービング
おやつに関しては、人参を与える場合は摺りおろして飼い葉に混ぜている。リンゴは皮を向いて食べやすいように小さくカットする。黒砂糖は極端に大きくなければ、そのままで問題ない。(いずれも与え過ぎには注意している)生牧草は硬そうな茎があればその部分をカットしている。
SNSに口籠や飼い葉やおやつについてのコメントがよくあるので、今回説明させていただいた次第だ。
口籠ドットさんとメト
今後も食生活を中心に気を配りながらの毎日になるが、口籠がなるべく外せるように、疝痛にならないように試行錯誤しながらケアをしていくことになるだろう。
おまけ動画 ゴロゴロ、ネコパンチくん
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協力:ノーザンレイク・認定NPO法人 引退馬協会
文:佐々木 祥恵
編集:片川 晴喜
著作:Creem Pan
ドトウがここまで回復したのもノーザンレイクの皆様の手厚いケアのおかげです。
放牧地ではしゃぐ姿からはフンフン🎵とハミングする声さえ聞こえてきそうで、歌わせたら音痴かもしれないと思いつつも涙が出るほど安心しました。
FPの一人として心より御礼申し上げます。
あとは、そうですね、馬房で食べてもいいシニア用のスナックみたいなのがあればいいのにね。
低カロリーで消化が良く、夜通しチビチビつまんでいても害がないもの。乾草の粉で作った “馬せんべい” なんかどうだろう?(口に入れると溶ける)
いや、せんべいより、いっそ敷料に加工できないか。。。🤔
獣医さんと飼料屋さんが、ドトウのための特別な寝床と療法食を開発してくださらないかな~と願う日々です。