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「お嬢様」ことリスグラシューの大ボリュームなお話を聞けた件について🐴

  • 4 分前
  • 読了時間: 6分


馬のような謎の四足歩行生物「UMA」の産みの親である

イラストレーター・鷹月ナトが、

日頃の制作活動の舞台裏や、馬への愛を書き連ねる連載です。


北口氏への取材のお話。

今回は厩務員時代に担当されていたリスグラシューについてのインタビュー編になります。

長く続いたシリーズも今回で最後となります。最後までお付き合いいただければ幸いです。






リスグラシューに乗った時について

リスグラシューの時は矢作厩舎の厩務員として担当していた為、常歩でしか乗ったことはない。

坂路の帰りには必ずはねていたらしく、30mごとに飛び跳ねて人を落とそうとしていたとのこと。


坂路が嫌というわけではなく、彼女なりのルーティーンか愛情表現的なものだったと思われる。



リスグラシューの性格について

坂路以外ではとても大人しく、競馬場につくやいなやスイッチが入る感じのようで、ONとOFFがはっきりしていた。ちなみにテイオーもONOFFはっきりしていたとのこと。

賢い走る馬は競馬場につくと走る場所としてしっかり認識しているんでしょうね。


顔はかわいく性格はお嬢様だった模様。また馬房に帰ると立ったまま寝ることも多かったため、マイペースでもあった。



リスグラシューの食事について

なんと一日9升も与えられていたとのこと。ハチミツ等でコーティングされた飼料と矢作厩舎オリジナル配合飼料を合わせて1回に3升あたえていた。しかし横にある水桶に飼料をつけて食べていたため、そこから零れ落ちた飼料が大体1升くらい溜まっていたらしい。


まぁそれでも推定7~8升は食べてるんですが…

当時の厩舎の馬達の中でも一番多かったとのこと。


爆食い系お嬢様キャラってコト…ッ!?


お茶漬けしながら食べてたとのこと、ハチミツコーティングだから飲み水も甘くなってそうですね。


デビュー当時のリスグラシューは430kgと小さかったが、引退レースであった有馬記念では470kg近くになっており40kgほど成長。結果も出しているあたり、脂肪にならずちゃんと身になっていたのは確かである。

またニンジンを2,3本入れたり、定期的に獣医が用意してくれる栄養剤のような薬も入れていたとのこと。



リスグラシューのクセについて

マイペースでよく寝ている姿が多かった。寝るのが好きなのかもしれない。

またヒラヒラしたものや髪の毛、帽子等を見ると口に含んでよだれでベッタベタにしてしまう癖があったようで、まぁまぁあらゆるものがベタベタにされていたとのこと。

重賞開催前のフォトパドック用の撮影をする際にもカメラマンがリスグラシューの近くに寄った際にレンズに鼻をベッタリつけたりすることも。色々なものに興味津々な部分があったのかなと感じるエピソードである。



リスグラシューの成績について

G1を4勝上げた名牝でありつつもシルバーコレクターでもあったリスグラシュー。

G1で2着が5回と苦渋を味わうことも多く、テイオーの対談の際に同世代のナイスネイチャの名前が出た時には、リスグラシューと被って見えてしまう部分もあったとか。


また新馬戦と未勝利戦以外は全て重賞を使ってきたあたり、期待されてそれに応える力があったのと矢作厩舎らしいレース選びであったとも思える。


2歳、3歳、4歳の前半までも苦い思いをし続けた中、ようやくエリザベス女王杯にてG1制覇をした際は北口氏も思わず涙を流したという。


上がり最速でもぎ取ったG1制覇。ようやく報われた瞬間であった。


海外遠征時のリスグラシューについて

帯同馬は特におらず、現地にて日本の他厩舎の馬たち3頭と共に現地を過ごしていた。

海外に連れていってもマイペースは乱さずだったようで、オーストラリアのコックスプレートが行われる競馬場にて、近い距離をお客さんが通ってもそのまま寝ていた程。


取材が来てもほぼほぼ馬房内で寝ていたということで、彼女の逞しいくらいのメンタルの太さがうかがえる。


しかし環境へのこだわりは強かったようで、1回目の香港挑戦(実際には香港には行けていない)の際、代理の厩務員が餌を用意した際は餌を食べなかった。それを聞いた北口氏は2回目の香港の際に、飼い葉桶や水桶の場所の指示や、馬房の前には馬を入れないこと。そして外の景色が見えない馬房であることお願いするように伝えていた。


どうも馬が前にいるとイライラして外に出たがるようになってしまうらしく、競馬場の装鞍所では馬房が用意されているのだが、馬房内では鞍をつけることができなかったようだ。しかし馬房から出すと大人しくして装着することが出来たようで、非常に不思議なルーティーンをしていた。



当時の矢作厩舎にいた馬たち

矢作厩舎には本家の厩舎とそこから離れたもう一つの分家(という言い方はあれだが伝わりやすいのでこの言い方に)の厩舎で管理されており、30頭入れている馬のうち10頭は分家の厩舎にいたようで、リスグラシューもそちらの方の馬房に入っていた。


分家厩舎の方には芝ダート共にマイルG1を制したモズアスコットや、ドバイターフを制し、今やフォーエバーヤングの父であり伝説の馬でもあるリアルスティールも一緒にいたという。


同じ建物の中に別の厩舎の馬も入っており、池江厩舎の分家もそこに入って一緒になっていたとのこと。

恐らく本家厩舎の方に当時はラヴズオンリーユーやマルシュロレーヌもいたと思われる。


と、数々のリスグラシューに関するエピソードを教えていただいた。


大変ボリューミーすぎる内容だった、まるでリスグラシューの毎日のご飯の量のように…


そして気が付けば14時頃から始まった訪問取材から18時頃くらいになっていた。北口さんには4時間のうちにたくさんのお宝を見せていただいたこと、そして今まで経験されてきたエピソード、名馬2頭のことについてのインタビューにご協力いただき本当にありがとうございます。


また今回アテンドしていただいた織明さんも、騎手や調教師だけでなく、調教助手や厩務員たち含めた多くのホースマン達の裏方の仕事を知ってもらいたい。そういう気持ちでご自身で本を制作されたのと同時に、取材のお声がけをいただきありがとうございました。


馬は人との縁を結ぶのを改めて強く実感した日でもあった。


今回の取材にて動画で纏めていただいたものを同行した唐沢さんが製作していただいております。


こちらも是非ご覧いただければ更にわかりやすいです。






文:鷹月 ナト

編集:椎葉 権成 黒田 航大

著作:Creem Pan


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