音楽♪を馬🐴と一緒に楽しむ試み👍️馬たちの新たな可能性🐎💡を実感!
- Loveuma.
- 7月3日
- 読了時間: 4分

引退馬支援のパイオニアであり、認定NPO法人引退馬協会・代表理事の沼田恭子氏が、
馬と暮らす毎日から抱く思いを綴ります。
サムネール画像:タービランス(引退馬協会所有馬/フォスターホース)とともに
馬と一緒に音楽を楽しむ、新しい試みが実現しました。
5月11日、乗馬倶楽部イグレットで「馬と楽しむコンサート」を開催しました。イグレットの中庭で、生の音楽を楽しむ手作りの小さな演奏会です。今回は、ふだん馬に接する機会がないという方もたくさんお越しいただきました。
この演奏会の当初のアイデアは、「馬と一緒に生の音楽を聴いたらどんな感じになるだろう?」という素朴なものでした。
賛同してくれる方も現れて、自然な優しい音色の音楽を馬たちに聴かせたいという思いから、ハーピストの八木さんご夫妻に協力をお願いしました。

中央:八木健一さん 左:八木さんの奥様Yuyuさん
(画像はいずれも乗馬倶楽部イグレット提供)

自然と調和するハープの音に
馬たちも耳を傾けて
八木さんご夫妻が奏でるハープとキーボードによる調べは、馬たちが安心して耳を傾けられる、穏やかで自然に近い音色でした。
コンサートは中庭のデッキを舞台として行われました。最初は少し警戒していた馬たちも、次第にリラックスし、草を食む姿や、音に耳を傾ける様子が見られ、自然と調和したひとときとなりました。
第二部(アンコール)では牧草地に放牧された馬たちのなかに楽器を持ち込んでの演奏でした。アイリッシュハープやクォーツォフォン(純粋な水晶で作られた竪琴形の楽器)の美しい音色を聴きながら、静かに草を食べている馬たちの姿が印象的でした。


参加された方からは、「来て良かった」「心が洗われた」「お馬さんと一緒に楽しめて良かった」といった感想が寄せられました。皆さんにとって特別な体験となったようです。
自然の中でのコンサートは天候に左右されるものの、当日は爽やかな風と青空に恵まれ、日本で初めて?の馬と一緒の野外コンサートの開催です。
馬たちの役割は乗馬や競馬などにとどまらず、とても深いものと感じています。
馬それぞれに個性があります。ハープの演奏を間近で聴いて、明らかに音色を楽しんでいる子や体でリズムをとっているように感じる子がいたり、そうかと思うとまったく関心がないように黙々と草を食む子もいて、反応はさまざま。馬たちの新しい魅力をまたひとつ感じる機会となりました。

アンコールは中庭から牧草地に会場を移し、
演奏を楽しみました
このコンサートによって、馬と人と自然、そして音楽が織りなす素晴らしいハーモニーを体験し、私自身も癒しや元気をもらうことができました。
ハフリンガー種のぽっくるくんが好奇心旺盛にハープとクォーツォフォンの音色を楽しんだり、馬たちが時折踊るような仕草を見せると、皆さんが一層笑顔になりました。最後には、放牧地は夕焼けに照らされ、馬たちと奏でた音楽が心に深く残る、特別な時間となったのです。


引退馬の新しい役割を感じた
馬たちと過ごす癒やしの時間
人を乗せるだけが馬の仕事ではないこと、彼らもまた自然の中で、さまざまな役割を自ら見つけていることを、今回、私はあらためて実感しました。
馬に乗らない人でも、馬と一緒にいることで癒しを感じたり、時間を忘れてのんびりできたりすることを経験された方は多いのではないでしょうか。馬の仕草や姿は非常に個性的でチャーミングであり、それを見るだけでも大きな癒しとなるようです。
馬たちと音楽を共にした時間は、私たちにとっても特別な思い出となり、自然と調和した静かな時間の大切さを再認識させてくれます。こうした経験を通じて、引退馬の新しい役割や、新たな価値観も生まれつつあります。馬と人、自然と音楽の融合は、これからも多くの人に癒しと喜びをもたらす素晴らしい可能性を秘めているのです。
Profile
沼田恭子(ぬまたきょうこ)
広島県生まれ。乗馬倶楽部イグレット 代表取締役、認定NPO法人引退馬協会 代表理事。1997年、引退馬協会の前身となる「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」を設立。2011年「特定非営利活動法人引退馬協会」設立、2013年「認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)」となった。
文:沼田 恭子構成:Yumiko Okayama
編集:椎葉 権成・近藤 将太
著作:Creem Pan
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