馬の個性を感じ、楽しませてくれる🐎ルックトゥワイス
- Loveuma.

- 7月17日
- 読了時間: 4分

引退馬支援のパイオニアであり、認定NPO法人引退馬協会・代表理事の沼田恭子氏が、
馬と暮らす毎日から抱く思いを綴ります。
サムネール画像:タービランス(引退馬協会所有馬/フォスターホース)とともに
乗馬倶楽部イグレットには、個性豊かな馬たちが暮らしています。
その中から今回は、引退馬協会のフォスターホースでもあるルックトゥワイスを紹介したいと思います。

ルックトゥワイス(引退馬協会所有馬/フォスターホース)
2013年4月2日生まれ セン馬 鹿毛
父・ステイゴールド 母・エスユーエフシー
(以下、画像は筆者撮影)
ルックトゥワイスはそのひょうきんな性格からみんなを楽しませてくれる馬です。
ステイゴールド産駒。2019年春、6歳で目黒記念(G2)に優勝、東京競馬場2500m 2分28秒2の日本レコードを樹立しました。
その年のジャパンカップ(G1)出走を最後に引退、去勢後、翌2020年4月にイグレットへやって来ました。
こちらに来た当初は、父の気性の荒さを引き継いでいるような暴れん坊と思われていました。しかし、一緒に暮らすにつれ、ルックトゥワイス本人(馬)の細やかな観察眼と感受性豊かな性格に、みんなが気づかされました。

繊細で表情豊かなステイゴールド産駒
ルックトゥワイスは、楽しい気持ちが抑えきれずはしゃいでしまう傾向があります。
時々テンションがあがって噛むような仕草をした時に(本気で噛もうと思ったことは一度もありません)、たまたま歯が人間に当たってしまうことがあります。
その時に人間が少し悲しそうな顔をしながら「イタタタ」と言うと…ルックトゥワイスも一緒になって申し訳なさそうな顔をして覗き込んできます。
お得意の変顔
気持ちが抑えきれない反面、周りの反応をよく観察してその豊かな感受性と表情で、彼は私たちにいろいろなことを伝えてくれます。
例えば身体が痒いとき、「ココを掻いて!」とクラブスタッフを痒い場所に誘導して掻いてもらう。
遊びたいとき、お隣のクレスコグランドのヘイバックをしきりに揺らし、クレスコグランドと引っ張りっこ遊びをする。
放牧に出るときも、放牧場について引き手を離した瞬間から勢いよくスタートダッシュをするところなどは、私たちからみればスキップして喜んでいるようにも見えます。
放牧の帰りには、名前を呼べば走ってきてくれます。
ちなみに昼食後のお昼寝タイムはほぼ毎日です。イビキをかくこともしばしば…。
【YouTube】引退馬協会チャンネルより|ルックトゥワイス キタキタキタ!
引退馬協会 会員限定ふれあいイベント「フォスターホースと過ごす日」にて
彼の表情はとても豊かで、嬉しいときや申し訳ないとき、眠いときなどたくさんの表情が見てとれます。
馬は人間より表情筋が少ないと言われていますが、彼を見ていると、はたしてそうなのかな?と思ったりもします。
ルックトゥワイスは多彩な表情から特別分かりやすい馬ではありますが、注意深く観察してみるとどの馬もみんな、その表情や、小さな動作、大きな動作で、ほかの馬や動物たちとコミュニケーションをとっていることがよく分かります。
馬が発信するサインに気づくことの大切さ
私が関わってきた馬たちの中には、大変な思いをしてきた馬や、人とコミュニケーションをとることを諦めた馬などもいます。
でも、どんな馬もサインを発信しているのです。
それは、とてもわかりにくい小さなサインだったりします。わずかな仕草、表情でも、彼らが発するサインに気づいてあげたいと私は思っています。

水(お湯)浴び大好き! でも石鹸やシャンプーの泡は苦手です

ルックトゥワイスと筆者
アレルギーによる肌トラブルの治療に温泉水を湿布
気持ちよさそう!
どの馬にも、本来の性格や苦手なこと、得意なことがあります。それらを理解して、馬の個性として「面白い」「愛らしい」と感じていくことが、馬とのコミュニケーションの一歩に繋がるのではないでしょうか。
馬たちも私たちと似ていると思うことで、もっと身近に感じられるかもしれません。
Profile
沼田恭子(ぬまたきょうこ)
広島県生まれ。乗馬倶楽部イグレット 代表取締役、認定NPO法人引退馬協会 代表理事。1997年、引退馬協会の前身となる「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」を設立。2011年「特定非営利活動法人引退馬協会」設立、2013年「認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)」となった。
文:沼田 恭子
構成:Yumiko Okayama
編集:椎葉 権成・近藤 将太
著作:Creem Pan






























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