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すべての馬が帰る「うまのふるさと」🐎


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引退馬支援のパイオニアであり、認定NPO法人引退馬協会・代表理事の沼田恭子氏が、

馬と暮らす毎日から抱く思いを綴ります。

サムネール画像:タービランス(引退馬協会所有馬/フォスターホース)とともに


もし、亡くなった思い出の馬たちに会える場所があったら、訪れてみたいと思いませんか?


活躍した有名な馬だけでなく、まったく無名な馬、乗馬デビューの際お世話になった馬、ばんえい競馬で活躍した馬、そして愛らしいポニーたち。

馬が好きな人ならきっとさまざまな、想い出の馬たちがいるのではないかと思います。


その場所には、馬の名前を書いたプレートがあり、たてがみを納めるスペースも設ける予定です。

これが、私の考える「うまのふるさと」です。


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「うまのふるさと」完成イメージ



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この「うまのふるさと」をつくるため、10月10日より、クラウドファンディング「馬への感謝をこめて〜すべての馬が帰る場所『うまのふるさと』をつくりたい」を開始しました。 このクラウドファンディングは12月9日まで実施しています。現段階では少し苦戦していますが、ご支援とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。


長年構想してきた“馬が帰る場所”が 浦河の地でいよいよ実現します


私たちがどれだけ愛情をこめても、多くの馬は寿命まで生きることができません。たとえ寿命を全うしたとしても、人間の10倍もの体重を持つ大きな体を、丁寧に最後まで見送ることができないのが、今の現実です。

目には見えませんが、せめて馬たちのその魂が安らかに帰る場所をつくること。

それが長い間私の夢でした。


実は引退馬協会の年間計画にも10年以上前から毎年計画に上がっており、場所の候補地も検討してきました。


最終的に、ほとんどの馬の生産地でもある北海道日高地方がよいと考え、かつて北海道に移住した人たちが馬産を始めた浦河に目を向けました。


浦河には、浦河町関連の施設「うらかわ優駿ビレッジAERU」(うらかわ優駿の里振興株式会社)があり、広大な敷地の中に乗馬や引き馬もでき、養老馬もいます。「うまのふるさと」に、これ以上適した場所はないように思いました。

AERUの静かで穏やかな環境を、馬たちも喜んでくれるのではないかと思います。


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AERU内優駿広場。このあたりが「馬が眠る丘」となる予定です


「うまのふるさと」予定地のご紹介動画


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AERU優駿広場の屋外ステージに立つ筆者

ここで馬たちを偲ぶイベントなどを定期的に開催したいと思っています


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10月18日、引退馬協会の会員限定ツアーでAERUを訪問、筆者も皆様と一緒にこの丘を訪ねました


浦河町にあるイーストスタッドは、協会の馬がお世話になったスタリオンです。

フォスターホースとして余生を見守ったタイキシャトル、タイキフォーチュン、メイショウサムソンは、まさにイーストさんにいた馬たち。


同スタッド代表の谷川貴英さん(谷川牧場代表、日本軽種馬農業協同組合副組合長理事)にご相談したところ、

「馬たちの生まれ故郷に安らかに眠れる場所を作りたい」と、快く賛同してくださいました。

また、日高軽種馬農業協同組合、浦河町やAERU、とも協力し、実行委員会も立ち上がっています。


順調に進めば、来年の夏にはAERUの優駿の広場に、馬の魂が帰ることができる記念モニュメントが完成します。


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引退馬協会制作のリーフレット



一頭一頭に感謝を込めて

その馬が生きた証を残していきたい


サラブレッドは優勝劣敗の厳しい競争の中で生きる馬たちです。

年間8000頭近く産まれる競走馬は、そのすべてが生き続けられるわけではありません。


私たちを楽しませてくれた馬が生きた証として、せめて、その名を残したい。想い出を刻み、感謝の気持ちを伝え共有できる場所が欲しい……馬を想う人たちの願いを込めて、「うまのふるさと」にモニュメントと馬名碑をつくります。


私は乗馬クラブや引退馬協会で亡くなった馬たちのたてがみを白い紙に包んで、名前や死亡日を書いて大切に保管しています。

「うまのふるさと」のモニュメントには、その想い出とともに、すべての馬たちを納めてあげたいと考えています。


このプロジェクトには、馬に関わるすべての皆様、多方面の方々に広くご賛同いただき、ご参加いただきたいと思います。

そして、私たちを一生懸命楽しませてくれた馬たちの最後の居場所をつくりたいと思っています。


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Profile

沼田恭子(ぬまたきょうこ)


広島県生まれ。乗馬倶楽部イグレット 代表取締役、認定NPO法人引退馬協会 代表理事。1997年、引退馬協会の前身となる「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」を設立。2011年「特定非営利活動法人引退馬協会」設立、2013年「認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)」となった。



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文:沼田 恭子

構成:Yumiko Okayama

編集:椎葉 権成

著作:Creem Pan


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