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「ホースメッセ2026」報告🐎 馬のウェルビーイングと未来への希望

  • 4 分前
  • 読了時間: 5分


引退馬支援のパイオニアであり、認定NPO法人引退馬協会・代表理事の沼田恭子氏が、

馬と暮らす毎日から抱く思いを綴ります。

サムネール画像:タービランス(引退馬協会所有馬/フォスターホース)とともに


2月21日から3日間、JRA馬事公苑で開催された「ホースメッセ2026」は、盛況のうちに無事終了しました。

今回は幸運にも時間に余裕があり、会場内のブースをじっくりと見て回ることができました。


そこでとくに強く感じたのは、馬のウェルビーイング(幸福)を真剣に願い、「馬にとって本当に良いことをしたい」という熱意を持った人々が、年々増えているということ。これまでの人間中心の考え方から、より「馬に寄り添う視点」が浸透してきたように感じました。


7回目を数える「ホースメッセ2026」が開催されたJRA馬事公苑(東京都世田谷区)
7回目を数える「ホースメッセ2026」が開催されたJRA馬事公苑(東京都世田谷区)



馬が馬らしく生きるための「3つのF」


そんな中でとくに心惹かれたのは、ドイツで活動されている獣医師さんによる、ドイツにおけるアニマルウェルフェアの紹介でした。


ドイツでは、子どもたちにも分かりやすい言葉で、馬の福祉の重要性が語られているとのこと。知識としてではなく、心に直接訴えかけるそのアプローチに深く感銘を受けました。ブースに掲げられた「馬が馬らしく暮らすための3つのF」という、馬の幸せの本質をシンプルに表現した言葉も、印象的です。


 * Freedom(自由)

 * Friends(友達)

 * Forage(粗飼料)


これが3つのF。一度耳にすれば決して忘れない、馬を愛するすべての人にとっての指針となるようなフレーズだと感じました。


「いっしょに生きよう。」ホースメッセの引退馬協会ブースに掲示したイメージパネル。左にメイショウドトウ(引退馬協会フォスターホース)
「いっしょに生きよう。」ホースメッセの引退馬協会ブースに掲示したイメージパネル。左にメイショウドトウ(引退馬協会フォスターホース)

20年を経た「いっしょに生きよう。」


さて、私たちが運営する引退馬協会のブースでは、大きく掲げた「いっしょに生きよう。」のメッセージとともに、馬たちの未来を支える活動内容などの様々な展示とオリジナルグッズ販売を展開しました。


この「いっしょに生きよう。」という言葉と、馬と人が肩を寄せ合う後ろ姿のイラストは、実は協会の前身である「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」が発足した、今から20年以上も前に作られたものです。時を経て、この言葉がこれほどまでに協会の理念と活動を的確に表すものとなったことに、改めて深い感慨を覚えます。私たちはまさにこの場所を目指して歩んできたのだと、その重みを噛みしめました。


引退馬協会のブースには、「今を生きるフォスターホースたち」「想い出のフォスターホースたち」すべての写真を展示しました。想い出の馬たちの写真パネルはチャリティーという形でご希望の方に譲渡し、「うまのふるさと」の募金箱にご寄付いただきました
引退馬協会のブースには、「今を生きるフォスターホースたち」「想い出のフォスターホースたち」すべての写真を展示しました。想い出の馬たちの写真パネルはチャリティーという形でご希望の方に譲渡し、「うまのふるさと」の募金箱にご寄付いただきました
こちらは引退馬協会「うまのふるさと」展示ブース。モニュメント10分の1模型とナイスネイチャ(引退馬協会フォスターホース)のパネルで皆さまをお出迎え
こちらは引退馬協会「うまのふるさと」展示ブース。モニュメント10分の1模型とナイスネイチャ(引退馬協会フォスターホース)のパネルで皆さまをお出迎え

未来へ繋ぐ「うまのふるさと」プロジェクト


また、今回のホースメッセでは、引退馬協会を含む5つの団体による協働事業として現在推進している「うまのふるさと」プロジェクトについてもご紹介しました。


「うまのふるさと」となるのは、北海道浦河町にある「うらかわ優駿ビレッジAERU」。日高山脈を望むAERUの丘を「馬の眠る丘」として、馬が帰る場所の象徴となるモニュメントを設営予定です。ホースメッセのブースには、モニュメントの10分の1模型を展示しました。実際にその姿をご覧いただくことで、来場者の皆様にプロジェクトへの理解を深めていただけたのではと思います。


模型の周囲には、将来その丘に納めるナイスネイチャやタイキシャトル、メイショウサムソンといった引退馬協会の功労馬たち、そしてアエルで暮らしたウイニングチケット、ポニーのオレオ、クーキーなどの愛らしい画像も展示し、馬たちの新たな安住の地への想いを共有しました。


【「うまのふるさと」プロジェクト】

引退馬のためのモニュメント設立事業実行委員会

(認定NPO法人引退馬協会/日高軽種馬農業協同組合/浦河町/うらかわ優駿の里振興株式会社/TOPPAN株式会社)


ホースメッセ初日(2/21)インドアアリーナで行なわれたトークイベント「〜すべての馬が帰る場所〜 あなたの想い出の馬を『うまのふるさと』に」。浦河町のキャラクター「かわたん」も応援にかけつけてくれました!
ホースメッセ初日(2/21)インドアアリーナで行なわれたトークイベント「〜すべての馬が帰る場所〜 あなたの想い出の馬を『うまのふるさと』に」。浦河町のキャラクター「かわたん」も応援にかけつけてくれました!
左から浅野靖典氏、松田有宏氏、谷川貴英氏、筆者
左から浅野靖典氏、松田有宏氏、谷川貴英氏、筆者

「うまのふるさと」を語るトークショー


イベント初日には、馬事公苑インドアアリーナ(屋内馬場)で北海道からゲストをお迎えしてトークショーを開催しました。「引退馬のためのモニュメント設立事業実行委員会」から、浦河町長の松田有宏氏、谷川牧場代表・日高軽種馬農協副組合長理事・本委員会会長の谷川貴英氏にご登壇いただき、競馬ライター・アナウンサーの浅野靖典氏の軽妙な司会のもと、熱のこもったお話を聞くことができました。


松田町長からは、自然豊かな浦河町の魅力と、馬文化が息づく地域としての誇りをご紹介いただき、多くの方々にぜひ現地を訪れていただきたいと強く思いました。「うまのふるさと」プロジェクトが、この地域で100年続く事業となるよう、改めてその実現に向けて邁進していきたいと決意を新たにしました。


用意していた配布資料300部もパンフレットがあっという間になくなるほど、本当に多くの方々が私たちの会場に足を運んでくださいました。


馬を愛する人々の熱意と、新たな時代への期待を感じさせる、実り多いホースメッセでした。皆さま、ありがとうございました。



Profile

沼田恭子(ぬまたきょうこ)


広島県生まれ。乗馬倶楽部イグレット 代表取締役、認定NPO法人引退馬協会 代表理事。1997年、引退馬協会の前身となる「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」を設立。2011年「特定非営利活動法人引退馬協会」設立、2013年「認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)」となった。




文:沼田 恭子

構成:Yumiko Okayama

編集:椎葉 権成

著作:Creem Pan


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