top of page

馬のことをもっと知りたい!🐴 まずは馬の体に触ってみませんか👐✨



引退馬支援のパイオニアであり、認定NPO法人引退馬協会・代表理事の沼田恭子氏が、

馬と暮らす毎日から抱く思いを綴ります。

サムネール画像:タービランス(引退馬協会所有馬/フォスターホース)とともに


馬が好きになると「馬のことをもっと知りたい」と、皆さん思われることでしょう。


馬の知識を得るにはいろいろな方法がありますが、馬に直接会って、実際にふれあいながら馬のことを知り、学んでいくことをお勧めします。



馬と親しくなるための

ワークショップ


引退馬協会では今年、2ヶ月に1回開催している会員限定のふれあいイベント「フォスターホースと過ごす日」で、馬と親しくなるためのワークショップを開催しています。

毎回、馬ともっと仲良くなりたい人がたくさん集まってきます。講師は私が信頼する馬理学セラピスト・藤本美芽氏(エクイエンス株式会社 代表)です。


2025年2月に開催したワークショップにて

藤本美芽先生とコアレスピューマ(引退馬協会所有馬/フォスターホース 引退馬協会撮影)


4月13日に実施したワークショップは、「馬の骨格を知ることで、安全に馬と接する方法」という興味深いテーマでした。






モデルを務めてくれたコアレスピューマ君(筆者撮影)

南関東で12歳までオープンクラスを維持、短距離戦で活躍しました。今年21歳、馬体も若々しく元気いっぱい!


引退馬協会のふれあいイベントでは、いつもコアレスピューマが大活躍。この日もモデルとして頑張ってくれました。


ピューマ君は競走生活を引退後に引退馬協会のフォスターホースとなり、去勢した後、乗馬としてのリトレーニングを開始しました。順調にメニューをこなし、今ではなんでもできる優等生。馬に触るのが初めてという方でも、お手入れやリーディング体験などで安心してふれあいができます。自分でも「ふれあい担当」という自覚があるようで、とても頼れる存在です。



雨を避け、厩舎の通路でワークショップを行いました(引退馬協会撮影)



ご存知ですか?

馬の骨のかたちやしくみ


その日はあいにくの雨模様で馬房に続く屋根のある場所だったため、いつもより狭い場所に人と馬がぎゅっと詰め込まれたような感じでした。


狭い場所で40人近い人が馬をぐるっと取り囲んだかたちですが、ピューマ君は嫌がることもなく、いつもの紳士的な態度で、モデルになってくれました。


「馬の骨格を知る」ために、藤本先生はピューマ君の馬体に白のチョークで骨の絵を描かれました。漆黒の馬体に骨格が白く浮かび上がる様子は神秘的でもあり、皆さん感嘆の声を上げられていました。


藤本先生がピューマの馬体にチョークで骨を1本ずつ描いていきます(引退馬協会撮影)

美しい青鹿毛の馬体にくっきりと骨格が浮かび上がりました


膝蓋骨(しつがいこつ)のあたりを描く藤本先生

ステーブルメイト(厩舎仲間)の馬たちも興味津々!(筆者撮影)


「体に何か描かれてる⋯💦」困り顔でもどこか得意そうなピューマ君(筆者撮影)



ワークショップでは、馬の骨格を理解したあと、全員で馬体に触り、骨の位置を確認していきました。それぞれの骨の機能と場所が理解できれば、さらに楽しく、上手に馬とふれあうことができるようになります。


馬体にブラシ掛けを行う時、皆さんも経験があると思いますが「後脚が飛んでくるのでは?」とドキドキしたりしませんか? 

適度な距離を保つことはもちろんですが、片方の手で後肢の膝蓋骨*の動きを止めることで馬の動きを感じることができ、そのドキドキは解消されます。


ここで大切なのは、両手を上手に使うこと。このように実際の馬をモデルにして実践的に身につけていくことが、とても勉強になります。


*膝蓋骨⋯いわゆる膝のお皿の部分ですが、馬の場合は後肢の付け根近くに位置します。


おてんとうくんもチャップくんもワークショップに参加していました(筆者撮影)



馬を悪者にしないために

私たちができること


体の大きな馬を扱っていて、人が怪我をしたりすると、馬のせいになってしまうことが多々あります。馬を悪者にしないためにも、私たちはもっと馬のことを知る必要があるのです。


私はいつも思うのですが、多くの方がイヌやネコの知識を持っているのと同じように、たくさんの人が馬の知識を持つようになれば、馬の住む世界はもっと広がるはずです。


毎年8000頭近くのサラブレッドが産まれています。引退後に1頭でも多くの馬が生かされ、また活かされていくためにも、多くの方々に馬のことをもっと知って欲しいと願っています。




引退馬協会主催のワークショップに関心のある方はぜひご参加いただき、馬のことを学んでいただけましたら幸いです。馬との絆がさらに深まりますよ!


藤本先生によるワークショップは、次回6/8(日)開催。会員限定、要予約。5/22現在、若干名追加受付可能です。


Profile

沼田恭子(ぬまたきょうこ)


広島県生まれ。乗馬倶楽部イグレット 代表取締役、認定NPO法人引退馬協会 代表理事。1997年、引退馬協会の前身となる「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」を設立。2011年「特定非営利活動法人引退馬協会」設立、2013年「認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)」となった。






文:沼田 恭子 構成:Yumiko Okayama

編集:椎葉 権成・近藤 将太

著作:Creem Pan


Commentaires


bottom of page