東日本大震災と、角居 勝彦 氏との出会い💭
- Loveuma.
- 5 日前
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引退馬支援の事業家として業界を牽引する、株式会社 TCC Japan・代表取締役の山本 高之氏が、
「馬のミライ」をつくるための、考えや想いをお伝えします。
皆さん、こんにちは!
株式会社 TCC Japan 代表取締役の山本 高之です。
初回は主に私の自己紹介をさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回は、馬と全く接点のなかった私がどのように馬と関わることになったのか、お話ししたいと思います。
2011年3月11日、東日本大震災が起きました。
当時は東京で妻と幼い 2人の子どもと 4人で暮らしていましたが、大きな揺れに慌てて外に飛び出したことを今でも覚えています。
原発事故のこともあり、妻と子どもたちは数日後には栗東に戻ることになりました。
私は仕事もあるため 1人で東京に残りましたが、なにか自分にもできることがないか居ても立っても居られず、被災地である宮城へボランティア活動に出向きました。
いま思えば、なにか自分の中に答えを見つけたい、後押しをしてもらいたい、そんな気持ちでボランティアに行ったような気がします。
この震災ボランティアを通して、「地域力」の必要性を痛感し、地元である栗東に戻って第2創業をすることを決心しました。
テーマは「馬とまちづくり」。
自分の中でぼんやりとしていた馬の存在が、明確になった瞬間でした。
付け加えておくと、震災があった2週間後、「ドバイワールドカップ」という当時世界一のレースを日本の馬(しかも栗東での調教馬)が初優勝したこと、そして日本に大きな感動を与えてくれたことも影響しているように思います。
さて、栗東に戻り馬の活動を始めると決めてからは、東京での既存の事業を整理するとともに、馬の事業計画を考える日々が続きました。
いかんせん、馬と関わったことのない ど素人です。
実は結婚して間もない頃、妻が1度だけ「ホースセラピーに興味がある」という話をしてくれたことがありました。
当時、全く馬に関心も知識もなかった私はあまり気に留めることなく時間が経過していましたが、1歳の時に父親が落馬事故で重度の障がいを負い、リハビリする姿を見ながら理学療法士になった彼女にとっては、必然的なことだったのでしょう。
「もう一度、父を馬に乗せたい」
気が付けば、自然の流れでホースセラピーに取り組むことになりました。

東京から地元である栗東に戻り、「馬とまちづくりをしよう」と決意した最大の要因は東日本大震災でしたが、今この仕事をさせていただいている もう 1つの大きな要因があります。
それは、角居 勝彦 元JRA調教師との出会いです。
そう、奇しくもあの震災直後の「ドバイワールドカップ」を日本で初めて制した調教師でした。

2014年、ホースセラピーの事業開始に向けて栗東に戻り 具体的な準備を始めていた時のこと、ある日 突然、義兄の祐一さんから「角居 調教師のところに行ってこい」と電話がありました。
話を聞けば、ホースセラピーの活動を社会に広げるための法人を設立し、その事務局を探しているとのことでした。
当時 日本一の調教師、私自身はまだまだ競馬のことを知らずその凄さもあまり分かっていませんでしたが、こんなチャンスはないと思い、「ぜひ一緒に活動のお手伝いをさせてください」と二つ返事で引き受けました。
「TCC セラピーパークにて、自然体なスリーショット」
東京から栗東に戻り、ホースセラピーの事業準備、そして角居先生との出会い、ここから私と馬との活動が始まっていきました。
「長い年月の間、たくさんの時間を一緒に過ごさせていただいています」
次回は、なぜホースセラピーの取り組みから引退競走馬の支援活動につながったのか、そのあたりをお話ししたいと思います。
Profile
山本 高之(やまもとたかゆき)
株式会社TCC Japan 代表取締役
1980年、滋賀県栗東市生まれ。
大学卒業後、コンサルタント会社での勤務を経て、2006年に東京でITベンチャーを起業。
東日本大震災を機に地域の重要性を感じ、出身地である「馬のまち 栗東」で馬に関わる事業を起こすことを決意。
2015年9月、地域の障がいをもった子どもたちのためのホースセラピー施設「PONY KIDS」を開所。
2019年5月、引退競走馬をセカンドキャリアにつなげ、馬と人の福祉活動を行う拠点「TCC セラピーパーク」、2023年には東京表参道に「BafunYasai TCC CAFE」をオープン。
2025年4月には、滋賀県高島市のメタセコイア並木沿いにTCC初の観光養老牧場 「メタセコイアと馬の森」をグランドオープンし、 引退競走馬を事業で生かす様々な取り組みを展開している。
文:山本 高之(株式会社 TCC Japan 代表取締役)
編集:椎葉 権成・近藤 将太
著作:Creem Pan
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