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黄金の王・レイデオロは、私にとっての王子様 by ミヤさん


「withuma.」vol.70 ミヤさん


Profile

お名前:ミヤさん

年齢:22歳

居住地:愛知県

 

第70回は、デルタブルースとのふれあいがキッカケで馬に傾倒し、レイデオロの大ファンとなったミヤさんです!

いったいどのような「withuma.」を送っていらっしゃるのでしょうか?

 


ミヤさんの「withuma.」

写真:本人提供


私の馬との関わり方は、競馬場へ足を運んで応援したり、乗馬施設へ行き馬と触れ合ったり、引退馬の様子を見に北海道の牧場へ行ったりなどしています。

環境や、その馬が置かれている境遇によって馬の様子に違いを感じられるので、なるべく様々な属性の施設へ行くことを心がけています。


写真:本人提供


競馬場では主にパドックを見ていることが多いです。

パドックが1番馬の表情を見ることが出来るので、競馬場の中でも特に貴重な場所だと思っています。


馬と関わる上で大切にしていることは、目を合わせることや簡単な動きを真似するなどです。

乗馬へ行った際は、必ずこれを心がけています。

言葉で通じることが出来ない分、簡単な動作を意識し、馬が感じる恐怖心や警戒心を少しでも軽減出来れば…と思っています。

また、必ず馬のペースに合わせることも大切にしています。

よく、馬に噛まれてしまった、馬が暴れた、などのニュースがありますが、大抵は人がなにか刺激を与えたことによって起きている事だと思うので、まずは馬のペースに合わせ、馬主体で触れ合えることを心がけています。

 

競馬場のパドックは、馬と触れ合う場所や機会が少ない今の日本で、もっとも気軽に馬を近くで見れる場所かもしれません。

私もパドックで見ていて、「かわいいな」「美しいな」と思った馬を生涯追いかけているので、普段は会えない競走馬との"出会い"という面でも、貴重な場所だと感じています。


馬とのコミュニケーションにおいては、私も馬と同じ動きを取ることがあります。

放牧地で鼻を触って挨拶した後、馬が右に向こうとしたら、自分も右を向く。

これは「一緒にこっちに行きましょう」というコミュニケーション方法であると、『ホーススピーク』という本に書いてありましたので、あながち行動としても間違っていないのかなと思っています。

 

ミヤさんの「Loveuma.」

レース中のワールドプレミア(本人提供)


馬の魅力は走っている姿と、普段の姿のギャップだと思っています。

競走中は力強い走りで1着をとるために必死に生きている姿が本当にかっこよく、魅力的に感じます。



上:パドックでのワールドプレミア

下:引退後の同馬(本人提供)


ですが、出走前にパドックを回っている姿、レースが終わり馬房に帰ったあと、引退して余生を過ごしている時...それらの様子は競走中とは大きく変わり、優しい目や美しいたてがみ、甘える仕草など、全く違う姿が見られます。

そのギャップに、どうしようもなく"愛しさ"を覚えます。

それと同時に、私たち人間ができる限り支え、守っていきたいとも感じます。


アブソルティスモの瞳(本人提供)


私は特に馬の瞳が大好きで、大きな目に、様々なものが映し出され、まるで鏡のようだなと思います。

馬の瞳に映し出される情景が、いつどんな時も美しく幸せなものであることをいつも願っています。


また馬の魅力をという点においては、初めてサラブレッドを見たのがノーザンホースパークでした。

それまで、乗馬施設や動物園などでしか見た事のなかった馬ですが、初めてサラブレッドを見て、その美しさと、かっこよさに感動し、それがきっかけで競走馬に興味を持ち、競馬にもハマりました。

その馬の名前はデルタブルースです。



ノーザンホースパークでのデルタブルース(本人提供)


デルタブルースは引退後も馬術競技を行っていましたので、筋肉も現役と変わらないほど美しく、本当にかっこよかったです。

本来は競馬場でしか触れ合えない競走馬、サラブレッドに触れ合うことの出来るノーザンホースパークは私にとって思い出の場所であり、特別な場所です。


写真:本人提供


そして、先述のデルタブルースとは別で、お気に入りの馬がいます。

それは、レイデオロです。

イタリア語で「黄金の王様」という意味を持つレイデオロ。

その名前の通り、力強く走る姿が大好きでした。


好きになったきっかけはシュヴァルグランの3着に敗れたジャパンカップです。

レイデオロは血統や厩舎、名手とのコンビ、デビューからの華やかな活躍などで、クラシックでは大きな期待を背負っていましたが、皐月賞では、その期待に答えられず負けてしまいます。

ですが、その悔しさをバネに日本ダービーを横綱競馬で完勝し、世代の頂点に輝きました。

ウイニングランでターフに映し出されたレイデオロの姿は、まさに「黄金の王様」で、そのかっこよさに心を奪われました。




写真:本人提供


半年後、世代の期待、そして威厳を持って挑んだジャパンカップ。

当時世界最強とまで謳われたキタサンブラックを倒すため、極限まで鍛え上げられたレイデオロの姿は、本当に王様そのものでした。

不利を受けたこともあり、3着に敗れはしたものの、果敢に立ち向かうその姿は、ダービーから約半年間の努力を感じ、たくさんの勇気と希望を貰いました。


馬には様々な名前、そして、そこに込められた意味があります。

その名前や意味の通りに歩む馬生を共に感じられることも、競馬の醍醐味だと思います。

レイデオロは、それを肌で感じさせてくれた思い入れの強い大好きな馬です。

これまでも、この先も、私にとっての1番はレイデオロです。


彼は私にとって、王様というより王子様でした。

スラットした鼻筋や大きな目、優雅な馬体は本当にかっこよく、目を奪われるほどの美しさでした。

その姿だけなら王様なのですが、少し性格に難が有り、馬房で暴れた際にできた傷などをパドックで目することが多く、まだ幼さの残るその性格は王子様だなと思っていました。

レイデオロを見ると元気がでますし、好きだなと言う気持ちが溢れてくるので、本当に私にとっては王子様です。

 

競走馬のギャップは大きな魅力ですよね。

特に引退馬には触れる機会が多いので、現役時代の引き締まった表情から一変し、目や表情が柔らかく、下唇が緩んでプルプルしていたりするのを見て、「こんな一面もあったんだな~」と思わせてくれるところが好きです。


レイデオロといえば、逃げ込みを図るキセキを馬場の真ん中から豪快に差し切った天皇賞・秋が印象的ですが、エピソードとして3着に負けたジャパンカップを挙げられている所が、この馬の持つストーリーを重視しておられるんだなと、そういったところにも同馬への愛を感じました。


現在は社台スタリオンステーションで種牡馬として繋養されており、産駒もデビューし始めています。

芝での勝利が目立ちますが、レイデオロ自身も中長距離で活躍し、父キングカメハメハ、母ラドラーダの3代母にはウインドインハーヘアと、スタミナにも富んでいる血統ですので、配合によってはダート中長距離路線でも期待できるのではないかと個人的に分析していますので、今後も幅広い活躍馬が出てくることを楽しみにしています。

 

引退馬問題について

イーストスタッドで繋養されるエイシンヒカリ(本人提供)


競走馬、そして競馬が持つ魅力の認知度をあげることだと思います。

日本での競馬の印象は、馬事文化よりもギャンブルとして定着してしまっています。

そのイメージを払拭し、文化、スポーツとして競馬が広まっていけば、一般の方にも引退馬の問題に興味関心を持ってもらえる機会が増えていき、解決に向けた方法も増えていくのではと考えています。


社台スタリオンステーションで繋養されるキタサンブラック(本人提供)

 

おっしゃる通り、競馬=ギャンブルのイメージは、まだ残っていると肌で感じます。

日本競馬が大衆の娯楽として発展してきた背景を考えると、至極当然のことではあるのですが、ギャンブル以外の魅力も沢山ありますし、そういった楽しみ方をしていらっしゃる人も増えてきているとは感じます。

最近はオーナーさんの中でも、所有馬の引退後までを見据えて運用される方もいらっしゃいますし、そういった考えに触れた競馬ファンが後に続くなど、引退馬にとって好循環が生まれつつあるので、そういった輪が広がっていくと、より良い未来に向かえると考えています。

 

 

今回は、デルタブルースとのふれあいがキッカケで馬に傾倒し、レイデオロの大ファンとなったミヤさんの「withuma.」を伺いました!

毎週定期更新してまいりますので、次回もよろしくお願いいたします!


 

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協力:ミヤさん 取材・文:片川 晴喜 編集:平林 健一 著作:Creem Pan

 


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