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'18 小倉記念をレコードで制した「メジロ」の継承者は、人懐っこく落ち着いた性格を活かし、乗馬として活躍中!|トリオンフ vol.21



 

かつて観衆を沸かせた名馬の"今"を紹介!

走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。

全国で暮らす、名馬の個性と"今"を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!


今回のコレクションは、2018年の小倉大賞典(G3)や小倉記念(G3)、2020年の中山金杯(G3)を制した、トリオンフ!

 

現在は、北海道札幌市にある、ほくせい乗馬クラブで暮らしているとのこと。

そのお世話をしている村上さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!

 



村上 恵祐さん

ほくせい乗馬クラブ 代表


ウマ歴:50年

出身地:北海道

趣味:ドライブ

休日の過ごし方:愛犬とのんびり




トリオンフ

ニックネーム|トンちゃん

生年月日|2014年4月21日

生産者|レイクヴィラファーム

馬主|桑田牧場

戦績|18戦7勝(2着5回,3着0回)

獲得賞金|2億2,624万円(中央)

主な勝鞍|2018年 小倉大賞典(G3)、2018年 小倉記念(G3)、2020年 中山金杯(G3)

父|タートルボウル

母|メジロトンキニーズ

母父|ダンスインザダーク

ここにきた日|2022年4月20日

 

トリオンフは、2016年7月に函館競馬場の2歳新馬でデビューし、後に5勝を挙げるマジカルスペルや、クラシック戦線にも駒を進めたプラチナヴォイスなどを破り、晩成型の血統背景を持ちながらも、新馬勝ちを収めることとなりました。

 

その後は悔しいレースが続きますが、3歳となった2017年の春に去勢手術を行うと成績は一変。

9月の若戸大橋特別で2勝目を挙げると、11月には1000万下(現在の2勝クラス)でも後にチャレンジカップ(G3)を優勝するエアウィンザーを下して3勝目を挙げ、年が明けた2018年1月には寿Sで再度エアウィンザーを破って連勝でオープン入りを果たします。

そして迎えた2018年の小倉大賞典(G3)では1番人気に推されると、中団追走から勝負所で位置を押し上げ、直線で先頭に立ってからも更に脚を伸ばす余裕の走りを見せて1着となり、待望の重賞初勝利を手に。

更に同年8月の小倉記念(G3)では、2番手で競馬を進めて4コーナーから先頭に立つと、そこから他馬を一切寄せ付けない力強い走りで後続に3馬身差を付け、1分56秒9のレコードタイムで重賞2勝目を上げました。

 

しかし、更なる活躍への期待で胸が躍る最中、「競走馬のガン」とも呼ばれる屈腱炎を発症。

1年3か月の間、屈腱炎と戦い続けますが、オーナーを含む関係者の努力が実り、長い休養を経て再びターフに舞い戻ったトリオンフ。

復帰戦となったチャレンジC(G3)では積極的に先手を奪う競馬を見せ、直線に入ってからも、しぶとく逃げ粘りますが、ゴール前あと1歩のところでロードマイウェイにアタマ差交わされての2着に惜敗。

それでも長期休養明けながらの立派な2着で、本来の力を取り戻しつつあるトリオンフは、年をまたいで2020年1月の中山金杯(G3)に出走。

道中2番手追走から直線入口で先頭に立つと、中山競馬場の急坂をもろともしない力強い走りで、並びかけようとするウインイクシードとの競り合いを制し、アタマ差押し切っての優勝を果たしました。

 

見事な復活を遂げたトリオンフには、元々晩成型と思われた血統背景から6歳シーズンでの更なる躍進に期待がかかりますが、このタイミングで屈腱炎を再発したため、惜しまれつつターフを去ることとなりました。

 

引退後は故郷のレイクヴィラファームへ戻ってリードホースのお仕事をしていましたが、「あまりにも元気に走り過ぎるので1歳馬たちが疲れてしまう」とのことで、乗用馬としての新たな馬生を歩むべく、ほくせい乗馬クラブへ入厩したとのことです。

 


 

かしこさ、人懐っこさ、食欲が☆5なのですね!

ペロッとしている写真の表情からも、その性格がうかがえます(笑)

対照的に繊細さや積極性は☆1とのことで、かなりハッキリとした性格のチャートになっていますね。

 

担当している村上さんに、トリオンフの"印象的なエピソード"を聞いてみました!


「育成したスタッフから『気性が荒い』と聞いていたので心配でしたが、接してみると、とても人懐っこく、おとなしい性格です。

当クラブに来た年から2年連続で、『RRC・引退競走馬杯』に出場するなど、乗用馬として、きっちり仕事もこなしています。」


トリオンフの母、メジロトンキニーズを牧場研修時に何度か触っているのですが、お母さんは、かなり"キリッ"とした性格でした。

ただ、兄妹のクールキャットなどは人に従順で大人しい性格だと聞いていましたので、それが産駒の特徴なのかもしれません!

乗馬になって初めての障害競技も、反抗0の完走だったとのことで、トリオンフの性格と競技馬としての素質が良くわかるエピソードですね!

 


 

競技会に出場しているトリオンフ


ローアングルから見る"たくましい"トリオンフの姿


トリオンフ「オヤツちょうだい!」



放牧時間は皆と仲良く過ごしているトリオンフ。


トンちゃん(左)とミコちゃん(右)


苦手な馬はおらず、皆からも好かれているそうです!


 


当クラブには、預託馬を含め40頭以上が在籍しております。

20歳を過ぎても、乗用馬として、元気に仕事をしている馬も多数います。

現在9歳のトリオンフは、まだまだこれからですので、どうぞ応援よろしくお願いいたします。

 

村上さん、トリオンフのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!

なお、トリオンフの見学は年間を通じて可能(年末年始12/30~1/3を除く)となっていますが、見学希望日の7日前までに事前連絡が必要となります。

また、見学に際しては幾つかの注意事項があります。

詳しくは「競走馬のふるさと案内所」をご覧ください。


そして、ほくせい乗馬クラブさんのSNSからも、トリオンフの姿をチェックできるので、ぜひフォローしてみてください♫


 

 

協力:ほくせい乗馬クラブ

取材・文:片川 晴喜

デザイン・編集:椎葉 権成

制作:Creem Pan

著作:Creem Pan・GJ

 

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1 Comment


HisMajesty Graustark
HisMajesty Graustark
Dec 14, 2023

トンちゃんの「トン」はトリオンフから来たのかお母さんの名前から来たのか?(「リオ」「メジロトンキニーズ」)

両方かもしれませんね。どちらにせよ、これ以上短くすれば「トッちゃん」になってしまいます。ノーザンレイクの「ドッちゃん」や優駿の里AERUの「キッちゃん」の仲間入りです。

この調子で馬名の短縮化が定着したら、オグリフやスドラムガールが引退したときはどうなるのでしょうか?


こういうどうでもいいことから書き始めるのは、たいてい今週の「ウチの子」についてよく知らないときです。予備知識の不足を雑談でカバーしながら、急遽過去のレース動画などを探すわけですが......おお、あったあった。


ムム、これは? 本馬場入場の前にかなり荒ぶっていますね。ジョッキーは振り落とされる前に飛び降りました。それでもみごとに勝ち切りました。斤量はキャリア最大の58kg。本人(トンちゃん)はトップハンデだったことにも気づいてない模様です。

ゴール板を過ぎても勢いが止まらず口取り撮影でもポーズが決まらず、なかなかシャッターが切れません。寒風にさらされて待ってくれている人々。唇には凍りついた笑み。おデコには💢。

あっ、やっとカメラの方を向きました! イケメンです! ナイスバディです! 決まりました。撮れました。関係者の皆様、本当におめでとうございました。㊗️🎉👏👏👏


小倉記念をレコードタイムで勝ったり、中山でウインイクシードを負かしたり、引退後も子分(一歳馬)を引き連れて一番元気に走り回ったりした「勢い」は、今も健在のようで何よりです。

基本的にネアカで社交的な性格はどこに行っても友達には困らないし、競技会でも安定したパフォーマンスを見せられると思います。

オヤツをひと(他馬)よりよけいにもらえる確率が高いので、きっと充実したセカンドキャリアから安定した老後へトントン拍子に進んで行けるでしょう。


このまま自然体で、かわいくなつこくたくましく仕事とつまみ食いの両立を目指してください。

ケガには気をつけて。😉🫶

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