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'14 毎日王冠を制した「記憶に遺る実力者」は、カメラ目線もバッチリの"アザトサMAX"ホースに!|エアソミュール vol.23



 

かつて観衆を沸かせた名馬の"今"を紹介!

走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。

全国で暮らす、名馬の個性と"今"を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!


今回のコレクションは、2014年の鳴尾記念(G3)や毎日王冠(G2)制した、エアソミュール!

 

現在は、千葉県八街市にある「引退馬の森(関東)」で暮らしているとのこと。

そのお世話をしている小倉さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!

 



小倉 優樹さん

株式会社馬事学院(引退馬の森)厩舎スタッフ


ウマ歴:1年

出身地:千葉県

趣味:マイカーでサーキットを走る、馬と触れ合う

休日の過ごし方:マイカーでドライブ




エアソミュール

ニックネーム|エアソ

生年月日|2009年3月15日

生産者|社台ファーム

馬主|ラッキーフィールド

戦績|28戦10勝(2着0回,3着5回)

獲得賞金|3億2,104万円(中央)

主な勝鞍|2014年 鳴尾記念(G3)、2014年 毎日王冠(G2)

父|ジャングルポケット

母|エアラグーン

母父|サンデーサイレンス

ここにきた日|2023年4月29日

 

エアソミュールは2011年11月の2歳新馬でデビューし、3戦目の2歳未勝利で初勝利を挙げると、年明け初戦は5着に敗れるも、つばき賞(500万下・現1勝クラス)では2馬身差をつけて快勝しました。

その後3歳オープンクラスでは戦績が振るわず、古馬も交えた3歳以上の条件戦へと歩みを進めますが、10月の鳴滝特別(1000万下・現2勝クラス)、続いて11月の比叡S(1600万下・3勝クラス)を連勝して古馬オープンクラス入り。

 

翌年の4歳シーズンは、大阪城S(OP)、巴賞(OP)、ディセンバーS(OP)をそれぞれ優勝し、年を跨いだ2014年2月の白富士(OP)も、前述のディセンバーS(OP)から連勝するなど、オープンレースで堅実な走りを見せました。

そして6度目の重賞レース挑戦となった2014年6月の鳴尾記念(G3)、エアソミュールは道中後方で競馬を進め第4コーナーで外から進出を開始し、直線では各馬横一線の状態からしぶとく脚を伸ばすと、内から伸びてきたアドマイヤタイシとのデッドヒートを制して重賞初勝利を挙げました。

続く札幌記念(G2)はハープスターやゴールドシップなどが参戦したハイレベルなレースで5着に敗れてしまいますが、10月には毎日王冠(G2)に出走。

G1レースでも戦いを繰り広げる顔ぶれの中で8番人気と評価を譲った同馬は、スタート後は位置を下げ中団で脚を溜めると、直線では進路が見つからずに右往左往する場面こそありましたが、最後は馬群の間から鋭く伸び、逃げ込みを図るサンレイレーザーを捉えて見事1着となりました。

 

その後は12月の金鯱賞(G2)に出走して3着、年が明けた2015年1月にはアメリカジョッキーC(G2)で3着、続く産経大阪杯(G2)でも3着と、勝利にこそ手が届かないものの6歳シーズンに入っても堅実な成績を収めていました。

同年7月に函館記念(G3)で4着となった後もトレセンで調整を続けていた同馬ですが、左前種子骨靭帯に炎症が見られたことから、競走馬生活に終止符を打つことに。

引退後は岡山の吉備高原サラブリトレーニングでリトレーニング(乗馬になるための訓練)を受け、併設する岡山乗馬倶楽部へ転厩したのち、数々の競技会に出場して馬術競技馬として活躍。

2019年6月に千葉県八街市にある「馬事学院」に移動し、お客様との触れ合いと外乗施設もあり、会員様が喜んで頂けるとの思いから、2023年4月に現在の引退馬の森(関東)へ入厩したとのことです。

 


 

かしこさ☆5、人懐っこさ☆5という個性は、競走馬時代から、おとなしく、人に従順な馬と言われたエアソミュールの特徴そのものですね!

繊細さも☆5とのことですが、こちらについては読み進めていただくと紐解かれます。

 

担当している小倉さんに、エアソミュールの"印象的なエピソード"を聞いてみました!


「いつもは"おっとり"していますが、撫でて欲しい時には頭をスリスリしてくることがあります。

放牧になるとテンションが上がり、走り出すことも印象的です。」


頭をスリスリ!?なんて可愛らしいんでしょうか‼

人懐っこさ☆4が良くわかるエピソードですね!

放牧時も喜んで走り出すとのことで、エアソミュールは「アウトドア派」なのですね。

 


 

引退馬の森にやって来た日のエアソミュール


当初は不安そうな表情も見せていたようですが、今はすっかり慣れて元気に過ごしているそうです。


蹄洗場でお手入れを待つエアソミュール


青草を美味しそうに食べるエアソミュール


カメラに関心を持つエアソミュール


カメラを向けると、しっかりと目線をくれます




優しく、おっとりとした性格で、みんなから好かれているエアソミュール。

賢いのでそれを分かっているようで、誇らしげな表情を見せてくれる時があるそうです。



インカメラを向けられたら、「僕って可愛いでしょ?」という表情を見せつけてきてくれるとのこと。

これには「かしこさ☆5(アザトイ)」も納得です!



音に反応するエアソミュール(耳に注目!)


びっくりしたエアソミュールの顔


移動してきた当初、初めての環境での運動で不安でいっぱいの時に、近くにあったトラクターに驚き、ぴょんぴょん跳ねてしまったそうです。

繊細さ☆5なだけあって、慣れない音やモノには敏感なのですね。

 


皆様、エアソミュールの記事はいかがでしたでしょうか?

エアソミュールは、とても人懐っこい子で、お利口な、お馬さんです!

寒さも本番になってくる中、モフモフとした冬毛に、元気いっぱいのエアソミュールの魅力を少しでもお届け出来ればと思います!

こちらを見て気になった方は会いに来てあげてくださいね。

 

小倉さん、エアソミュールのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!

ちなみにエアソミュールの見学は「TCC 引退競走馬ファンクラブ」への会員登録後、Webサイトよりご予約が可能とのことです。

またTCCホースは「シェアオーナー制度」のため、応援したい馬を一口(半口も可)から気軽に支援することができ、エアソミュールも随時一口オーナーを募集中とのことですので、気になった方はぜひ!

 

そして引退馬の森を運営する馬事学院さんや、TCCさんのSNSからも、エアソミュールの姿をチェックできるので、ぜひフォローしてみてください♫

 

馬事学院さんX(旧:Twitter)|@bajigakuin

TCCさんX(旧:Twitter)|@TCC_official_

TCCさんInstagram|tcc__official

 

WEBサイト|引退馬の森.com

 

 

協力:株式会社 TCC Japan

   引退馬の森(関東)

取材・文:片川 晴喜

デザイン・編集:椎葉 権成

制作:Creem Pan

著作:Creem Pan・GJ

 

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2 Comments


今月、片野ゆかさんの『セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅』(集英社)が書籍化されましたね。Web連載中に時々読んでいて、その中で馬事学院のことを知りました。


同学院には人間教育を兼ねた実業学校の側面があるので、生徒さんは実務中心の生活になるはず。馬の実務といえば「労働」です。

馬のそばで、馬のために、馬と共に、「働く」ことを「学び」だと思って楽しむことができない人には向かない環境でしょう。そして、仮に自分に向かないとわかったからといって、いったん預かった生き物の命を途中で投げ出すことはできません。

若いなりに覚悟を持って入学してほしい。3年間、馬への純愛を貫いた人だけに卒業証書をあげてください。


ついでに、先生方にもお願いが。

圧倒的に人材不足の馬業界にとって、この学院から巣立つホースマンの卵たちはメイクデビューのサラブレッドと同じくらい大切な存在です。

いまだ成長途上にある心と体が過剰な負荷を背負い込まないように、日頃から目配り気配りを忘れず、社会人デビューの日にはコンディションを最高潮に整えてピッカピカ✨で送り出すのが育てた人の務め。その務めが果たせるのは、高価な「馬」だけでなく生徒という「人間」に対しても慈しみとリスペクトと責任を持てる人だけ。


時に優しく、時に厳しく、ガチで生徒愛を貫いてきた先生だけに、来年も再来年も講師資格を延長していただきたいと思います。


( 。。。と、いつか誰かが学院代表にさりげな~く伝えてくだされば幸いです😉)

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エアソミュール号は、私の競馬元年(2016)より前に活躍していた世代のため、実際に競走している姿は見たことがありません。

過去のレース映像を探して観戦しました。(毎日王冠、メチャカッコいい❗️ 2022年にライアン・ムーア騎手でジャパンCを勝ったヴェラアズールみたい❗️)


現役時代のエアソくんは、素質は十分だけどあまり我(が)を出さず、レース当日の鞍上のバイオリズムに敏感で、ジョッキーの技量のみならず微妙な好調不調の波までを鏡のように正確に反映して走っているように見えます。

こういう素直すぎるお馬は、勝負どころでたまたまヘタクソに乗れば「ブレーキをかけられているんだ」と善意(!)に解釈して自分を押さえ、うまく乗れば乗っただけ一生懸命に速く走ってくれる。ちょっとスランプぎみのとき、モレイラ騎手への乗り替わりで復調・覚醒するタイプだったかもしれません。


当時は、トライアルを勝ったのに本番のG1に出さないということで悶々としていたファンもあったようですが、これは調教師さんの英断ではないかな?

従順でまじめな分だけ黙って無理しているかもしれず、その状態で更にギアを上げてG1仕様に作ろうとしたら能力以上に頑張って壊れてしまう可能性もある、という状況で「一勝より一生」を重んじた結果の選択ではないかと想像します。

G1を勝つのは勲章。愛されて長生きするのも勲章。

もし選ぶことができるなら、馬はどちらを望むでしょうか?

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