そのキャラクター性に惹かれちゃう!「ゴジラ」ことラニに会いに行った件について🐴
- Loveuma.

- 9月16日
- 読了時間: 5分

馬のような謎の四足歩行生物「UMA」の産みの親である
イラストレーター・鷹月ナトが、
日頃の制作活動の舞台裏や、馬への愛を書き連ねる連載です。

9月のほんとに先週。友人と共に北海道に出向いていた。
純粋に旅行な部分も入れつつ、種牡馬見学シーズンとなったのもあり、会いたい種牡馬や功労馬をピックアップしながら日高を散策。
初日はYogiboヴェルサイユリゾートファームや優駿スタリオンステーションに行ったり。
なんだかんだでこの数年で北海道に行くのは10回以上となっている。(経済的なことを見ると目を覆いたくなるが、)だが優駿スタリオンステーションに行くのは初めてだったのもあり、初めてそこでエスポワールシチー達を見て、そして入厩したてのジオグリフを見せてもらったりと、とても楽しく過ごさせていただいた。
さて二日目、午前は体調が悪く少し時間を見合わせたりをしつつも見学候補だった牧場さんにて許可をもらいながら見学。
個人的に今回特別会いたいなと思っていた馬は現在アロースタッドにて繋養されているラニ号だ。
葦毛で大きな体。UAEダービーを制覇し、アメリカ三冠全てに出走し、その内2回掲示板入り。
葦毛で大きな馬体で追い込み型ということで砂のゴールドシップとも呼ばれ、激しすぎる気性から米国ではゴジラとも言われたりと海外でもかなりインパクトを残していった馬。
当時を知っているわけではない、でも色々な過程を得て好きになった馬である。

ラニ自体を知ったのはXにてアローの中の人(非公式)さんが、アロースタッドで繋養されている種牡馬たちの日常を動画でUPされており、その際に流れてきた、放牧地をダッシュしながら柵の外にいる撮影してる人間に向かってくる動画で彼を認知をした。
種牡馬になってから更に立派になった体での柵すれすれまで突進(直前でブレーキをかけているが)は正直めちゃくちゃ怖い。だがそれ故に惹かれる彼のキャラクター性に色々と心が奪われた。
知った当時は産駒のリメイクが活躍していた頃。そしてよくお世話になっている方が京都サラブレッドクラブ所属のラニ産駒、バトゥーキを出資しているということもあり更にラニの名前をよく耳にした。
またこれは個人的な話だが私自身、めちゃくちゃゴジラが好き。幼少期から見ていたのもあって特撮の中でもゴジラは特に好きだった。色味は真反対なラニではあるが、その気性故にゴジラと言われたのは逆に自分の中で勝手に好感度が沸いていたのである。

ユニオンの会員でもあったため午前の会員優待見学時間を使っては放牧中のラニを見に行ってはほくそ笑んでいた。
その時もめっちゃ人間を見て突進してきた。私を見ても突進してからかおうとしていた。こういう行動を見ながら気性がすごいけど、とても頭良いんだろうなぁと常々思っていた。
そんな中で今月頭、公式からラニ号とトランセンド号アロースタッド退厩の報が。
今後はYogiboヴェルサイユリゾートファームにて功労馬として過ごすこととなった。
話を聞いた時はとてもショックを受けてしまったが、実績が残せないと厳しい種牡馬の世界で200頭以上産駒が残せたのは喜ばしいことでもあるだろう。
そこから更に功労馬としても第三の馬生が過ごせる保証はわからない中、今後も見学できる場所で繋養されることはファンとしてもとても嬉しいかぎりだ。
とはいえ、やはり寂しさはある。9月中はアロースタッドにいるということで、スケジュールになんとか組み込んでアローにいる最後の姿を目に焼き付けようと伺った。
いた、ラニ。
おぉ…ラニ…壁から生えた顔が見えている…人だかりが出来ており、彼の人気っぷりがうかがえた。しかしウキウキして私たちが歩いて向かっていくとスゥーーーーーと馬房の中に消えていく。
アチャー…まぁしょうがないよねぇ…と思いながらトランセンド号やエポカドーロ号達も見つつもう一回戻る。
尻。
う~~~んまぁでも元気なら良いかぁ!と思っていたら見かねたスタッフさんがラニを呼び掛けて顔を出さしてくれた。


呼び出された本人はなんだか「えーなんだよーにんじん寄越せ」みたいな顔。
それはそう。もうありがたくめちゃくちゃ写真を撮りました。
その後は「満足したか???」という感じですぐ顔ひっこめてしまったが、久々に本馬のお顔を拝見出来たことで寂しさがあった自分心の中で折り合いがついた。恐らく当時を知っていたらもっと色々思えるものがあったのだろうが、たとえ見ていなかったとしてもここまで惹かれる馬はすごい存在とも思える。 ほんとに見学させていただいた牧場には感謝しきれない。
ヴェルサイユに移ってもまた会いにいくねと心に決めて後にした。
アロースタッドの見学は今年は11月15日まで見学可能。詳しい見学についての詳細は競走馬のふるさと案内所にてご確認ください。ルールとマナーを守って秋の見学シーズン楽しんでいきましょう。
文:鷹月 ナト
編集:椎葉 権成・近藤 将太
著作:Creem Pan


























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