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追悼


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引退馬支援の事業家として業界を牽引する、株式会社 TCC Japan・代表取締役の山本 高之氏が、

「馬のミライ」をつくるための、考えや想いをお伝えします。


皆さん、こんにちは。

TCC Japan 代表の山本 高之です。


「TCC 広報大使」のアオラキ号が、11月15日(土) JRA 復帰戦のレース中に疾病を発症し、予後不良による安楽死処置となりました。

皆さまに広報大使への就任をお知らせした矢先の出来事で、まだ心の整理がついておりません。

何とお伝えしたらいいのか、言葉を選びながら書いています。


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改めて、「競馬」というスポーツの怖さや厳しさを感じました。

競走馬は命を懸けて走っています。

だからこそ美しく、儚く、そして素晴らしい感動と熱狂を私たちに与えてくれます。


類まれなる才能で勝ち続ける馬もいれば、光が当たることなく人知れずターフを去っていく馬、そしてアオラキのように多くのファンに愛される馬。

どんな馬も無事に競走生活を終え、次の居場所、役割へと続いていく。

そんな当たり前のように思われることが、当たり前ではないことを改めて痛感しました。


私たちができることは、満身創痍であっても競走生活を無事に終えた馬に、次の居場所を用意すること、新しい役割を一緒につくることだけです。

ただ、それさえもほんの一部の馬たちにしかできていないのが現状です。


競走馬として生まれた以上、レースに出走することは使命です。

競馬を否定するのではなく、一生懸命に使命を果たしたアオラキに感謝し、アオラキが私たちと一緒に取り組もうとしたこと、新しいことに果敢にチャレンジしたその功績を、これから多くの方に伝えていくことが私たちのアオラキに対する使命だと思っています。


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「TCC 広報大使」は幻に終わったのではなく、短い期間でしたが確実に存在しました。

その証を何らかの形で残したいと考えています。

とりあえず今は、心からご冥福を祈るばかりです。


アオラキ、ありがとう。


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Profile

山本 高之(やまもとたかゆき)

株式会社TCC Japan 代表取締役


1980年、滋賀県栗東市生まれ。

大学卒業後、コンサルタント会社での勤務を経て、2006年に東京でITベンチャーを起業。

東日本大震災を機に地域の重要性を感じ、出身地である「馬のまち 栗東」で馬に関わる事業を起こすことを決意。

2015年9月、地域の障がいをもった子どもたちのためのホースセラピー施設「PONY KIDS」を開所。

2019年5月、引退競走馬をセカンドキャリアにつなげ、馬と人の福祉活動を行う拠点「TCC セラピーパーク」、2023年には東京表参道に「BafunYasai TCC CAFE」をオープン。

2025年4月には、滋賀県高島市のメタセコイア並木沿いにTCC初の観光養老牧場 「メタセコイアと馬の森」をグランドオープンし、 引退競走馬を事業で生かす様々な取り組みを展開している。




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文:山本 高之(株式会社 TCC Japan 代表取締役)

編集:椎葉 権成

著作:Creem Pan


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