創業125年!老舗呉服屋さんとコジュウチョウサンの馬ざんまい生活に迫る!by 我妻 登鷹さん

「withuma.」vol.24 我妻 登鷹さん

Profile
お名前:我妻 登鷹さん
居住地:神奈川県
年齢:37歳
第24回は、我妻登鷹さん、老舗呉服屋「銀座 いわきや」の5代目を務め、4頭の馬と共に生活をされている男性です!
いったいどのような「withuma.」を送っていらっしゃるのでしょうか?
我妻 登鷹さんの「withuma.」

普段は「銀座いわきや」の専務取締役を務めており、地方馬主もしています。
子供の頃から馬が好きで、30歳になったらポニーを飼うと決めていました。
今ではその夢を叶え、ポニー2頭と引退馬2頭を、家族として迎え入れています。
生活も馬中心ですし、自分も馬に対する知識をつけて、日々馬に勉強させてもらっています。

飼っているポニー2頭は、「エピ」と「クロエ」という名前です。
「エピ」がメンコを被ると、Twitterで皆様から反響をいただき少し有名になりました、「コジュウチョウサン」に変身します。

この「エピ」こそ、かねてからの夢を叶えるため、まさしく私が30歳の時に、お付き合いのあった、大井競馬場の調教師さんから牧場を紹介いただき、迎え入れた馬です。
「クロエ」は、実は「エピ」のお母さんなんですが、全く別の時期に、別の牧場さんとのご縁で引き取らせていただいたんです。
これもご縁なのかなと。すごい巡り合わせでした。
そんなこんなで馬との生活を送っている私ですが、大切にしているポリシーがあります。
それは、「自分のできる範囲で」というものです。
馬を飼うにはお金もかかりますし、家族として迎え入れるので、自分が面倒を見れる範囲で、馬と共に生きていきたいと考えています。
それから、この活動を通して、馬の魅力を1人でも多くの人に知ってもらうことを目標にしています。
友人などを頻繁に牧場に招き、馬と触れ合ってもらうことを日々しております。
子供は特に馬と仲良くなるのが早いので、今後も、子供の頃から馬が身近な存在というきっかけづくりをしていきたいですね。

コジュウチョウサンは、以前からTwitterでも話題となっていましたよね!
私も以前から拝見し、陰ながら癒されていた1人です。(笑)
「エピ」と「クロエ」親子の再会が偶然だったことに驚きました。
親子の絆と言いますか、人と馬の縁が巡り合わせたものですね。
生産牧場でも、現役生活を終えて繫殖入りし、牧場に戻ってきて親子が再開するケースがありますが、私が研修させていただいたレイクヴィラファームさんでは、特に双方とも覚えていないようでした。
それどころか、メジロドーベルは、娘のメジロヒラリーに除け者にされていたのが印象に残っています。
「エピ」と「クロエ」は仲良さそうですが、果たして親子だったことを覚えているのでしょうか?
その辺りも気になってしまいました。
「いわきや」さんは、昭和30年創業の横浜にある老舗呉服屋さんです。
創業者が、馬の町・福島県南相馬市の出身であり、馬を愛する強い想いから、馬にまつわる着物や帯を扱う「銀座 いわきや」を、昨年、「銀座 乗馬倶楽部」内にオープンされました。
特に、完全オーダーメイドの西陣織でつくりあげる「名画」は、日本のモノづくりの最高峰の技術を用いた、心奪われるしつらえです。
ご興味のある方は、是非ホームページをご覧ください。
銀座 いわきや↓
我妻 登鷹さんの「Loveuma.」

馬にも魂があると思うんです。
人の言葉や感情を、敏感に理解をしていると感じます。
実際に、自分は日々、愛馬と共に喜んだり、悲しんだりしています。
言葉はしゃべりませんが、心で人間と会話をできるところが、馬の大きな魅力に感じますね。
私の好きな馬はオジュウチョウサンです。
障害レースをこれだけメジャーにした功績は大きいですし、新しい競馬ファンの獲得にも貢献しているのではないでしょうか。
そして、個性派として印象に残るお馬さんでもありますね。
仰るように、意思の疎通をできていると感じたことが私にもありました。
これは、実際にふれ合った事がある方であれば共感いただけると思います。
ただ、お互いの要求を確認したり、あいさつ程度まではできても、共に喜んだり、悲しんだりしたことはまだありません。
家族として共に生活している方ならではのご経験ですね。
まだまだ、自分の知らない馬の一面があることにワクワクしました!
それからオジュウチョウサンですが、私が初めて見たのは、2017年の中山大障害でした。
アップトゥデイトとの一騎打ちに、全身が震えあがる興奮を覚えました。
それまでは競馬場で観戦するときも、障害レースは少し早いお昼休憩という位置づけで、私自身はあまり興味がなかったのですが、あの中山大障害以降、障害レースを観るのが楽しくなりました。
私と同じように、オジュウチョウサンをキッカケに障害レースに興味を持った方も多いと思います。
中山大障害の売り上げを例に検証しましょう。
初めて無冠のオジュウチョウサンが挑戦した2015年は、約16億円だったのに対し、障害重賞7連勝で迎えた2017年には、約22億円の売り上げを記録し、その伸び率は約40%ほどの増加となっていました。
比較として、同じく年末に行われる有馬記念の売り上げが、2015年→2017年で約5%アップとなっていたことからも、オジュウチョウサンがいかに障害レースへの注目を集めていたのか、お分かりいただけると思います。
競技全体の地位を押し上げたのは、間違いなく彼の功績そのものでしょう。
引退馬問題について

私は、自分でできる範囲で、引退馬を引き取って暮らしています。
冒頭にお話したように、今は2頭の引退馬を家族として迎え入れています。
引退馬問題については…正直難しい問題だと思います。
色々と議論はありますが、自分としては多種多様でいいと思っています。
今後も自分のできる範囲で、馬と人間が共に暮らせる環境整備をしていきたいですね。
今は時代も変わり、働き方も変化の時代でパソコン一つあれば仕事はできるので、田舎で庭に馬がいる暮らしも出来ます。
引退馬の引取先の裾野を少しでも広げていくことが大切かと思っています。
ポリシーの部分でもお話しいただいたように、「自分のできる範囲で」というお考えが軸となっているのですね。
以前、Loveumagazine「生かすことが幸せなのか」にて、取材させていただいた家畜商の方が、
「馬という動物を飼う以上は、プロ意識を持った人が、馬と真摯に向き合って最期を看取るというのがあるべき流れであり(後略)」と仰っていたことを思い出しました。
この家畜商の方も、「自分のできる範囲で」というお考えをお持ちの様でした。
Loveumagazine「生かすことが幸せなのか」家畜商・X はこちら↓
引退馬支援の形は様々あり、そこには賛否両論、様々な意見が見受けられます。
ただ一昔前は、「引退馬」という言葉が市民権を持っていなかった事を考えると、このように議論がなされている事自体も、ある意味、「前進」と捉えることが出来るのかもしれません。
馬の幸せを考えながらも、私たち人間は、私たちの"ものさし"でしか思考することができません。
ですから、今私たちに出来ることは、可能な限り馬に寄り添って考え、人と馬の明るい未来を探求し続けることだと思います。
そういった観点からも、馬と暮らしていらっしゃる我妻さんのような方が、SNSなどでその魅力を伝えていかれることに、大きな意味があると感じました。
今回は、老舗呉服屋「銀座 いわきや」の5代目を務め、4頭の馬と共に生活をされている、我妻 登鷹さんの「withuma.」を伺いました!
毎週定期更新してまいりますので、次回もよろしくお願いいたします!
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協力:我妻 登鷹さん 取材・文:片川 晴喜 編集:平本 淳也 著作:Creem Pan
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誤解を恐れずに申せば、オジュウチョウサンの飛越には3種類あると思っています。
(1)一つめは正攻法の飛越。文字どおり、障害の上を豪快に飛んで越えます。
(2)二つめは、やや変則的な戦術的「またぎ越し」。(1)のバリエーションですが、「上昇より前進」を意識してジャンプを低めに抑え、障害の先端部を胸や腹でなぎ倒しながら越えます。
(3)三つめはもっと変則的な「省エネ踏み越し」。踏み切って、ジャンプ~!と見せかけて実は障害の土台に駆け上がり、マサキなどの生垣を体でかき分けて押し通ります。
(3)は滅多に見られないレアな飛び方で、最後の直線に備えてスタミナを温存したいときや、通常の飛越にちょっと飽きたときなどに、ステゴ産駒らしく馬が自分で判断して実行します。(決してジョッキーの指示ではない)
みんなオジュウチョウサンが大好きなので、ズルをしたなんて夢にも思いません。
👏🏻😊👏🏼😃👏🥰👏🏾😘👏🏿😍🎊
《夕顔》《早霜》《野分》《秋風》《吹雪》
《水無月》《宵月》《夏月》《花月》。。。
これ、何の名前かわかりますか?
源氏物語じゃないんです。日本の駆逐艦の艦名なんです。
帝国海軍時代、戦艦は旧国名(《大和》《武蔵》等)、重巡洋艦は山の名前(《足柄》《高雄》等)、軽巡洋艦は川の名前(《最上》《大井》等)、そして駆逐艦は天象気象、海洋、季節、植物名などから取って名付けていたそうです。
競馬のレースにも似たような命名基準があります。
G1の桜花賞や菊花賞だけでなく、特別競走について、
(1)2歳・3歳馬の特別競走にはその時期の花や草木の名称を、
(2)古馬の特別競走には季節にちなむ名称、(競馬場周辺の)地名・河川・湖沼・海洋・山岳名、誕生石名、月名、星座名をつける
という原則があるとか。
(つまり「若竹」「呉竹」「早苗」「芙蓉」と聞けば競馬ファンはレースを連想するが、海上自衛隊の佐官クラスの人は「日本海軍の二等駆逐艦」とキッパリ答えたりするわけだ🧐)
呉服屋さんと競馬の共通キーワードは「季節感」じゃないでしょうか?
キモノには四季の風物が図案化されますし、レース名を聞いて今は何月だったか思い出すという競馬ファンもおります。ナイスネイチャのバースデードネーションだって、(何とか五・七・五に収まりさえすれば😅)そろそろ初夏の季語になってもおかしくない。
野平祐二元騎手・元調教師の娘婿の増田知之さんは京都人で、カーニバルデーなどに集中しない日本のG1シリーズを「夏の一夜の花火大会」ではなく「春秋に錦織りなす絵巻物」にたとえました。
西陣織の色と風合いは本当に美しいので、織りの途中で切れたりもつれたりして捨てられる糸さえもったいないと思う。たしか京都には、リリーレース(旧・西村レース)など西陣の織物の廃材を使って素敵なアクセサリーを創作する工房もありますね。
馬主さんに西陣細密綴織の愛馬の肖像を納品するかたわら、制作過程で出た端切れやムダ糸をアップサイクル素材として引退馬支援グッズを作るブランドができたら最高!
宣伝広報はコジュウチョウサン❤️にお願いしたいです。☺️