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ロードクロノス|'01 中京記念を制した、名牝・シンコウラブリイの初仔は、29歳になっても食欲旺盛な健康優良児に! vol.29



 

かつて観衆を沸かせた名馬の"今"を紹介!

走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。

全国で暮らす、名馬の個性と"今"を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!


今回のコレクションは、2001年の中京記念(G3)を制した、ロードクロノス!

 

現在は、北海道新ひだか町にある荒木牧場で暮らしているとのこと。

そのお世話をしている荒木さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!

 


荒木 貴宏さん

荒木牧場 代表


ウマ歴:40年

出身地:北海道・新ひだか町

趣味:競馬を観る事

休日の過ごし方:子供たちと過ごしたり、買い物に行ったり。




ロードクロノス

ニックネーム|クロ

生年月日|1995年3月27日

生産者|大樹ファーム

馬主|ロードホースクラブ

戦績|30戦8勝(2着4回,3着4回)

獲得賞金|1億8,156万円(中央)

主な勝鞍|2001年 中京記念(G3)

父|トニービン

母|シンコウラブリイ

母父|Caerleon

ここにきた日|2018年10月

 

ロードクロノスは、重賞6勝を挙げ名牝と呼ばれた母・シンコウラブリイの初仔としてデビュー前より注目を浴びており、1998年10月に4歳未勝利戦でデビューすると、同年11月に3戦目で初勝利を挙げます。

翌1999年は、5月に4歳以上500万下(現・1勝クラス)を勝利し、900万下(現・2勝クラス)では3着→4着→2着と惜敗が続いて一度降級するも、すぐに勝ち星を挙げて再度昇級。

その後、10月にクラス2戦目で勝利すると、次開催へ「勝って同条件」で出走し、2着を一度挟んでから再び900万下(現・2勝クラス)を優勝。

更に翌2000年には、8か月ぶりの実戦となった北海道新聞杯(1600万下、現・3勝クラス)で勝利を挙げ、またもや「勝って同条件」で同年10月の外房S(1600万下、現・3勝クラス)を優勝し、ここまでの条件戦では17戦7勝(2着3回、3着4回)という堅実な走りで、遂にオープン入りを果たします。

 

そして昇級後3戦目で迎えた2001年の中京記念(G3)、3番人気の支持を受けたロードクロノスは中団のインで競馬を進めると、3・4コーナーで位置を押し上げ、直線では抜け出しを図るスエヒロコマンダーの内から脚を伸ばすと、最後はクビ差交わし切って1着でゴールし、見事初の重賞タイトルを手にしました。

 

その後も2002年の七夕賞(G3)で2着となるなど、重賞2勝目まで"あと一歩"のところでしたが、遂に先頭でゴールを通過することはなく、2003年の新潟大賞典(G3)を最後に引退。

 

ロードクロノスが荒木牧場さんへやって来た経緯は、オーナー様が以前、同馬とは別に2頭の引退馬を荒木牧場さんへ預託していた縁があり、「(ロードクロノスと、もう1頭別の牝馬の預託を)荒木牧場さんにお願いしても良いですか?」と相談を受けたことで、受け入れが決まったそうです。

 


 

やはり際立っているのは、「食欲☆5」でしょうか!

今年で29歳になるロードクロノスですが、とても食欲旺盛で食べることが好きなのだそうです。

高齢になっても食いつきが衰えないのは、健康面を考えても、とても大切なことですね!

 

担当している荒木さんに、ロードクロノスの"印象的なエピソード"を聞いてみました!

 

「去年の春先から、『クロノーブ』という糠を発酵させた飼料を与えているのですが、それの営業に来られた方の前職が大樹ファームのスタッフさんで、偶然にもロードクロノスのお産を見ていた方でした。

馬と人間の縁を感じます。」

 

ロードクロノスが生まれたのは1995年ですから、牧場にいた期間を考えても、およそ27~8年ぶりの再会となった訳ですね。

馬の業界も広いようで実は色々なところで繋がりがあって、長い時を経てこういった縁が生まれているというのは、とても感慨深いものがありますね。

 


 

ぬいぐるみの様なロードクロノス


馬体が"コロン"としていて可愛いですね!

「まるで道産子とかポニーの様な馬で、とても愛らしいです」と荒木さん。

 

奥に隣のパドックの馬が写っていますが、「我関せず」といった性格のようで、好きな馬も嫌いな馬もいないそうです。


放牧地で草を探して食べるロードクロノス



馬房で飼い葉を食べるロードクロノス


ロードクロノスは、荒木牧場に来てから今日に至るまで、一切病気や怪我をしたことが無い健康優良児!

必要最低限のケースを除いて、獣医さんにお世話になる事も無いのだとか。

 

荒木牧場さんの飼養管理に対する方針を伺うと、「ただ長生きさせるだけではなくて、元気に楽しんで生きてほしいので、良い物を与えて、喜んで美味しく食べてもらえるように人間側も努力する」とのこと。

「印象的なエピソード」に出てきたクロノーブも、腸内環境を良くする働きがあり、ボロ(馬糞)にも菌が含まれるので、その堆肥によって土壌も良くなるのだとか。

そして、その土壌で育った牧草を、また馬が食べて…といった好循環が生まれているようです。

決して安くはない飼料だそうですが、可能な限り自然体のままで元気に余生を過ごしてほしいという想いが感じられました。

 


30歳を過ぎて亡くなる馬を、最近よく目にするようになりました。

ロードクロノスも今年で29歳と高齢になり、残り少ない馬生、その時は着実に近づいています。

今一度ロードクロノスに会いたいという方は、是非時間を見つけて会いに来てあげてください。

きっとクロも嬉しいだろうし、会いに来る人にとっても、「あの時、会っておけばよかったな」と悔いが残らないかと思います。

 

荒木さん、ロードクロノスのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!

なお、ロードクロノスの見学は年中可能となっており、見学を希望される場合は最寄りのふるさと案内所に3日前までにご連絡が必要となっています。

 

※団体様の場合は、7日前までにご連絡をお願いします。

※体調や天候によって、見学できない場合があります。

 

詳しくは、「競走馬のふるさと案内所」をご覧ください。

 

ロードクロノスは、荒木牧場さんがオーナー様からお預かりしている預託馬のため、普段はSNSに露出することはありませんが、荒木牧場さんの様子はSNSでもご覧いただけます。

また荒木牧場さんでは、引退馬の余生を支える活動に長い間取り組まれており、2012年に設立された「荒木牧場功労馬サポーターズ」という団体では、牧場で暮らす引退馬に安らかな余生を送らせてあげるため、その活動を支援してくださる会員様を随時募集しておられます。

ご興味のある方は是非チェックしてみてください。

 



 

 

協力:荒木 貴宏

取材・文:片川 晴喜

デザイン・編集:椎葉 権成

制作:Creem Pan

著作:Creem Pan・GJ

 

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1 comentario


>「まるで道産子とかポニーの様な馬で、とても愛らしいです」


🐴「。。。。。。。。」( ☜ サラブレッドのクロの心境)


ほ、褒め言葉ですよね、モチロン!😅

「可愛いは正義」だからね、クロ。


引き手をつけずに荒木さんと並んでリズムよく歩いている動画を拝見しました。(超大型犬の散歩のよう)

パッチリしたお目々に栗色の長めの前髪がかぶさっているところなんか、ホントにぬいぐるみのような可愛さです。😍💕


お母さんのシンコウラブリイは、藤沢和雄元調教師に初重賞(ニュージーランドトロフィー )と初G1(マイルチャンピオンシップ)をプレゼントした名牝ですね。藤沢先生のご本にも必ず名前が上がる。


ニュージーランドトロフィーでラブリイの2着だったヒシマサル(2018年没)も、クロと同じトニービン産駒のウイニングチケット(2023年没)も、北海道に終の住処を得て幸せな余生を送りました。

クロもまた同じ北海道の、ゴハンがとびきりおいしい牧場に永久就職(?)できたのは本当に素敵なことだと思います。

最年長の健康優良児を目ざしてほしいな。☺️

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