top of page

川須栄彦騎手の初重賞制覇を飾った逃げ馬!保護猫30匹と暮らす"猫ざんまい"の余生



 

かつて観衆を沸かせた名馬の"今"を紹介!

走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。

全国で暮らす、名馬の個性と"今"を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!


今回のコレクションは、2012年の小倉大賞典(G3)などを制した、エーシンジーライン!

 

現在は、栃木県那須塩原市にあるブレーヴステイブルで暮らしているとのこと。

そのお世話をしている土橋さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!

 


土橋 慈さん

ブレーヴステイブル 施設管理長


ウマ歴:約20年

出身地:埼玉県川口市

趣味:アコースティックギター

休日の過ごし方:お休みは無く、四六時中お馬さんといます。




エーシンジーライン

ニックネーム|Gくん

生年月日|2005年4月16日

生産者|Winchester Farm(米)

馬主|栄進堂

戦績|66戦9勝(2着8回,3着10回)

獲得賞金|2億5,729万円(中央)、273万円(地方)

主な勝鞍|2012年 小倉大賞典(G3)

父|Giant's Causeway

母|レディダンズ

母父|Danzig

ここにきた日|2020年12月

 

得意の逃げ戦法でトゥザグローリーの5着に

エーシンジーラインは米国生産の日本調教馬で、父は3度の北米リーディングサイアーを獲得し、レモンポップの母父としても知られるGiant's Causeway。牝系の従弟には読売マイラーズC(G2)などを制したリーチザクラウンがいる血統です。

 

2007年8月の2歳新馬(芝1200m)でデビューした同馬は、6戦目の3歳未勝利(ダート1400m)で初勝利を挙げます。

その後、3歳6月には再び芝に戻り、今度は2000~2600mの中長距離路線へと目先を変え、以降2011年までに年間1勝ずつ挙げながらオープンクラスまで昇級。

そして同年4月の日経賞(G2)では果敢に逃げる競馬を披露し、単勝144.4倍の低評価ながらトゥザグローリーに0.9秒差の5着となりました。

 

7歳にして初の重賞制覇

2011年9月の朝日チャレンジC(G3)に出走したエーシンジーラインは、同型の目黒記念(G2)優勝馬・ホクトスルタンに先手を譲り、自身は2番手から競馬を進めます。

そして直線では先頭へと立って抜け出し、残り100mで未だ1馬身のリードがありましたが、外から脚を伸ばしたミッキードリームにハナ差交わされての2着に惜敗し、初重賞制覇はお預けに。

 

その後、中日新聞杯(G3)では0.3秒差の6着、中山金杯(G3)では0.5秒差の4着と僅差ながら負けが続く中、次走は小倉大賞典(G3)に出走。

同レースで1番人気2.9倍に推されたコスモファントムは、2走前で6着に敗れた中日新聞杯(G3)の勝ち馬であり、エーシンジーラインは16.3倍と離された5番人気でした。

レースは、エーシンジーラインが積極的に先手を奪って1000m通過タイム58.8秒のペースで逃げると、直線では猛追するスマートギア、コスモファントムなどを相手に持ち前の粘り腰を発揮し、ついに交わされることなく1着でゴール。

7歳にして初の重賞制覇を果たすとともに、地元・福岡県出身の鞍上、川須栄彦騎手にとっても初の重賞制覇となったレースでした。

 

障害転向後も3勝を挙げる活躍

その後、ダート重賞の名古屋大賞典(G3)では二ホンピロアワーズの3着、翌年1月には芝3000mの万葉S(OP)でも3着となり、幅広い適性を示したエーシンジーラインは、同年3月、8歳にして障害レースへと転向。

障害4歳以上未勝利では3着→2着と順調に成績を伸ばし、3戦目で単勝1.4倍の人気に応えて、約1年5ヶ月ぶりに勝利。

その後しばらく勝ちから遠ざかりますが、2014年の暮れには障害3歳以上OPを連勝しました。

 

翌2015年12月のレースを最後に競走馬登録を抹消されたエーシンジーラインは、2016年から栄進牧場で種牡馬として再スタート。

5シーズンで10頭に種付けをし、血統登録された7頭の産駒は地方競馬で計26勝を挙げました。

そして2020年シーズンを最後に種牡馬としての仕事を終えた同馬は、同じく栄進牧場で種牡馬として繋養されていたエーシンモアオバーと共に、現在のブレーヴステイブルへとやって来たとのことです。

 


 

「かしこさ☆5」、「食欲☆5」が特徴的ですね!

「人懐っこさ☆3」ですが、"猫懐っこさ"は抜きん出ているようで…⁉

 

担当している土橋さんに、エーシンジーラインの"印象的なエピソード"を聞いてみました!

 

「牧場には、保護猫が30匹おりますが、猫達に1番好かれています。

また、普段は優しいGくんですが、放牧になると目付きが変わりスイッチが入ります。」

 

それだけ好かれるということは、普段から猫に対して優しく接しているのでしょう。

特別に「猫懐っこさ☆5」を贈呈します!(笑)

 


 


ちょっとタレ目なエーシンジーライン


猫たちはエーシンジーラインが大好き


エーシンジーライン(左)とエーシンモアオバー(右)


エーシンジーライン(手前)とエーシンモアオバー(奥)


エーシンモアオバーとエーシンジーラインは、馬房が向かい合わせだったようで、どちらかが居なくなると落ち着かなくて、常にお互いを気にかけていたそうです。

「2022年9月に天馬となったモアくんがGくんを見守ってくれていると思います。」と担当の土橋さん。



エーシンジーラインの変顔


放牧地で草を食むエーシンジーライン

 

Gくんは競走馬時代に、芝・ダート・障害レースの全てにおいて勝利をあげ、お父さん(種牡馬)も頑張りました。

一生懸命に頑張ってきたGくんの幸せな余生を、あたたかく見守っていただけましたら幸いでございます。

生牧草、ニンジンが大好きなので、Gくんにプレゼントしていただけましたら、とっても喜びます。

Gくんが幸せな余生を送れるよう愛情を込めて、日々精進して参りますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

土橋さん、エーシンジーラインのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!

見学のご予約については、ホームページ上に記載されているメールアドレスから、1週間前までにご連絡をお願いいたします。

なお、見学時間に関しましては、「お馬さん達、そしてたくさんの猫達のお世話や、動物たちの日々の生活のリズムがありますので、ご見学は1組様30分までとさせていただいております」とのことです。

皆さまのご理解、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

また、ブレーヴステイブルさんには、動物たちの幸せな余生を見守るために発足した「余生の会」というものがあり、オーナー様を持たない馬や動物たちへのご支援を募っておられます。

今回ご紹介したエーシンジーラインも、余生の会の「ファミリーホース」として繋養されています。

こちらの「余生の会」にご興味のある方は、専用ページも是非チェックしてみてください。

 

そしてブレーヴステイブルさんのブログやSNSからも、エーシンジーラインの姿をチェックできるので、ぜひフォローしてみてください♫

 

Facebook|余生の会

 

 

協力:ブレーヴステイブル

取材・文:片川 晴喜

デザイン・編集:椎葉 権成

制作:Creem Pan

著作:Creem Pan・GJ

 

supported by





bottom of page