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'15年NHKマイルC覇者の今!父クロフネとの"父子制覇"を成し遂げたクラリティスカイは「群れのリーダー」に!



 

かつて観衆を沸かせた名馬の"今"を紹介!

走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。

全国で暮らす、名馬の個性と"今"を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!


今回のコレクションは、2015年のNHKマイルC(G1)などを制した、クラリティスカイ!

 

現在は、高知県土佐清水市にある、「認定NPO 法人あしずりダディー牧場 命の会」で暮らしているとのこと。

そのお世話をしている宮崎さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!

 


宮崎 栄美さん

認定NPO法人 あしずりダディー牧場 命の会 理事長


ウマ歴:16年

出身地:高知県

趣味:馬のお世話

休日の過ごし方:無休なので馬と過ごします




クラリティスカイ

ニックネーム|クラリ

生年月日|2012年3月7日

生産者|パカパカファーム

馬主|杉山忠国

戦績|27戦3勝(2着2回,3着4回)

獲得賞金|2億982万円(中央)

主な勝鞍|2014年 いちょうS(重賞)、2015年 NHKマイルC(G1)

父|クロフネ

母|タイキクラリティ

母父|スペシャルウィーク

ここにきた日|2020年12月2日

 

レコードタイムでの重賞競走制覇

クラリティスカイは2014年7月にデビューすると、3戦目の2歳未勝利で後に中山牝馬S(G3)を勝利するトーセンビクトリーを破って初勝利を挙げます。

そして次走、この年に重賞(新設重賞)へと格上げされ、現在はサウジアラビアRC(G3)に名称・格付表記が変更された、いちょうS(重賞)に出走すると、スムーズな追走から直線で先行馬を捉えて抜け出し、見事レコードタイムでの優勝を果たしました。

 

2連勝で波にのるクラリティスカイは、同年末の朝日杯フューチュリティS(G1)に出走。

7枠からのスタートで後手を踏むも、3コーナーあたりで外から押し上げて中団の前目まで進出すると、4番手外に位置して直線へ。

直線では馬場の真ん中から脚を伸ばし、逃げ馬の脚色が衰えたところで先頭に変わるかと思われましたが、外から追い込んできたダノンプラチナとの併せ馬に競り負け、更に内から馬群を捌いて伸びてきたアルマワイオリにもゴール前で交わされ、3着に敗れてしまいます。

 

強豪に屈した皐月賞

翌年の3歳シーズンは弥生賞(G2)で6着となった後、クラシック一冠目の皐月賞(G1)に出走。

レースは8枠14番から五分のスタートでしたが、ホームストレッチの先行争いでダッシュを決め、キタサンブラックを交わして先頭に立ちます。

ミドルペースで逃げたクラリティスカイは、直線でも必死に逃げ込みを図りますが、前目で競馬を進めていたキタサンブラックとリアルスティールに残り100mで交わされ、更に大外から強烈な末脚を見せたドゥラメンテにも差し切られるなど、中山の急坂に脚が衰え、ここも5着に敗れる結果に。

 

クロフネとの“父子制覇”を果たす

皐月賞(G1)で先着を許した強豪馬たちが日本ダービーへと向かう中、マイル戦のいちょうS(重賞)での実績に加え、比較的メンバーも手薄と見込まれたNHKマイルC(G1)に照準を定めたクラリティスカイは、同レースに3番人気で出走。

レース本番は、好スタートから先行各馬に前を譲る形で好位を進むと、3番手内で最終コーナーをカーブ。

直線で追い出されると、先に大きく抜け出していたアルビアーノを残り100m地点で捉えて先頭に立ち、上がり2位33.9秒の脚で後続に出る幕も与えず1着でゴール。

見事G1レース制覇を成し遂げると共に、開催20回目を迎えた同レースでは初となる皐月賞出走馬の優勝、更に父クロフネとの父子制覇を果たしました。

 

その後、2017年の中山金杯(G3)で2着、同年の小倉大賞典(G3)では3着となるものの、勝利には恵まれず、2018年8月のBSN賞10着を最後に、競走馬登録を抹消。

引退後は馬事公苑で乗馬となり、2019年からは福島県の乗馬クラブへ移籍していましたが、JRAからの紹介があり、2020年より現在暮らす認定NPO法人 あしずりダディー牧場 命の会へ移動し、ここで余生を送っているとのことです。

 


 

これまで『引退馬コレクション』で紹介した馬には、どの項目でも星の数が多いというケースはありましたが、どれも星が少ないパターンは珍しいですね。

クールかつシンチョウなクラリティスカイですが、実際にお世話されている方から見ると、どういった性格の持ち主なのでしょうか?

 

担当している宮崎さんに、クラリティスカイの“印象的なエピソード”を聞いてみました!

 

「普段から穏やかで、優しくて、人間には温厚な性格のクラリ。

ですが馬同士だと強い面もあって、放牧地では群れのリーダーとして君臨しています。」

 

なるほど…人への接し方と、馬への接し方で、大きなギャップがあるのですね。

競走馬としてG1を勝ち、群れでもリーダーを担っているとは、恐れ入りました!

 


 

クラリティスカイ(手前)とウェンディアンサー(奥)


スキスキのウェンディアンサーに甘えるクラリティスカイ。

2頭は、じゃれ合う仲だそうです。


削蹄中のクラリティスカイ



草を食むクラリティスカイ


エーシンジーライン(左)、クラリティスカイ(右奥)、ミニョン(手前)


噛みつき防止の口輪をしているミニョン


クラリティスカイが苦手とする、ポニーのミニョン。

放牧地で噛まれたことがあるそうです。

そういえば以前ご紹介した、あしずりダディー牧場さんで暮らすモルトベーネも、ミニョンに噛まれたことで苦手意識を持っていました。

サラブレッドより体の小さいポニーですが、気の強さは侮れないですね。

 

認定NPO法人 あしずりダディー牧場 命の会では、クラリティスカイの里親制度を行っており、支援会員様を募集中です。

馬主さんのいないクラリティスカイの余生を、一人でも多くの方に支えていただけると幸いです。

 

宮崎さん、クラリティスカイのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!

なお、クラリティスカイの見学は営業時間内であれば可能です。

柵の外からの見学は無料で、厩舎内の見学・えさやり体験(写真付き)は、お一人様1,000円で行っておられるほか、曳き馬・乗馬体験も受け付けておられます。

詳しくはホームページをご覧ください。

 

そして、認定NPO法人 あしずりダディー牧場 命の会さんのSNSからも、クラリティスカイの姿をチェックできるので、ぜひフォローしてみてください♫

 

X(旧:Twitter)|@npo_daddyranch

 

 

協力:認定NPO法人 あしずりダディー牧場 命の会

取材・文:片川 晴喜

デザイン・編集:椎葉 権成

制作:Creem Pan

著作:Creem Pan・GJ

 

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