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おっとりドトウさんも時には激しく…! 【牧場の一日】

ノーザンレイクの一日 その2

 

北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。

そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、

馬ときどき猫な日々を綴ります。

 


馬たちを放牧して、水桶に水を満たした後は、川越は軽い朝食を摂ってから、馬房掃除へ。

私は使用したハートばみを洗って、タイキシャトルの放牧地の柵につけたフックに無口とハートばみをかけに行く。そのついでにSNS用の動画撮影を行う。メイショウドトウは、私が放牧地に入るとかなりの確率でそばに寄ってくる。近くに来過ぎて、ドアップになることも多々。



気が付けば顔がこんな近くに。思わず笑顔になる瞬間。


おっとりドトウさんも時には激しくじゃれてくる。


メトは猫らしく気まぐれで、早朝パトロールの延長で外にいるか、家に戻って寝ているかのどちらかだ。外にいる時には放牧地まで私の後についてくるので、ドトウやシャトルとのツーショットを撮影できることもある。

シャトルはたいてい草を食んでいるので、顔を上げたり、草を求めて移動するタイミングを待って撮影する。


シャトルのそばをさりげなく通り過ぎるメト


問題は女子チーム。4頭かたまっていればいいのだが、広い放牧地に転々バラバラになって草を食べていることもあり、そうなると写真を撮影しづらい。時間に余裕があれば放牧地の中に入って馬たちに近づいて撮影するのだが、こちらも事務仕事や原稿書き、家事に追われているのでゆっくりもしていられない。たいてい後ろ髪を引かれながら放牧地を後にすることになる。

放牧地の女子チーム撮影中


私が家に戻る頃、川越の馬房掃除が始まる。

まずメイショウドトウ、タイキシャトルの馬房から掃除をする。天候が急変した場合など、高齢馬をなるべく早く馬房に戻せるようにという意味もある。ノーザンレイクで使用している敷料は、主に麦稈(ばっかん)、つまり麦わらだ。乾燥した牧草を使用している時期もあるが、川越によると麦稈が1番軽くて取り扱いやすいとのこと。決して安くはないが、作業効率を重視して使用している。人が疲弊してしまっては、結果的に馬にしわ寄せがいくと思うので、なるべくそうならないように出来ることから取り組んでいる。


馬房掃除のイロハ


①まず目立つボロ(馬糞)を 寝わらかぎで拾う。


②フォークを使って糞尿で汚れた部分とそうではない部分に分ける。


③汚れた部分を馬房からフォークで押し出して、細かい寝藁くずを熊手で掃き出す。


④汚れていない部分をフォークで均等になるように馬房に敷いていく。


⑤汚れた部分をフォークや熊手で軽トラに乗せる。


⑥最後に麦稈ロールから新しい麦わらを取り、馬房に足す。


①〜⑥まで行って、1馬房分が終了だ。時間にしておよそ6分前後。計6頭分の馬房掃除をする。

左から熊手、フォーク、箕(み)、寝藁かぎ


これが終わると、今の時期川越はもっぱら草刈りに追われ、13時過ぎに休憩室でお昼ご飯(基本的に手作り弁当)&昼寝。私は家で原稿書きや雑務の合間に弁当のおかずの余りで昼ご飯を済ませる。その後は仕事をするか睡魔に負けて昼寝をするかのどちらかで、集牧までの時間を過ごす。

(つづく)


 

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協力:ノーザンレイク・認定NPO法人 引退馬協会

文:佐々木 祥恵

編集:平林 健一・片川 晴喜

著作:Creem Pan

 


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