top of page

シャトルが居なくて寂しいけど、ドトウは毎日をドトウらしく生きています


 

北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。

そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、

馬ときどき猫な日々を綴ります。

 


シャトじいじことタイキシャトルが天国に旅立って、1か月が過ぎた。シャトル関連の取材を受けたり、自身で記事を書いたりしていたこともあり、慌ただしく時は過ぎた。記事用にシャトルの写真を選んでいると、胸が締め付けられ辛い気持ちになったりもするが、徐々にシャトルのいない日常に慣れてきたように感じる。


放牧地でお互いを確認するシャトルとドトウ


イーストスタッドからヴェルサイユリゾートファームを経てノーザンレイクにやって来るまで、シャトルとメイショウドトウはここ数年間はずっと一緒だった。


メトを眺めるドトウとシャトル


twitterやインスタ、Facebookのコメントなどで「シャトルに先立たれたドトウが心配」という声をよく目にする。

シャトルが熱発するなど体調を崩して舎飼いの時は、ドトウが放牧に出るとシャトルが鳴き、ドトウも放牧地からシャトルを呼ぶという光景が見られた。

シャトルが息を引き取った日も、ドトウは放牧地で少しの間いななき、落ち着かない素振りを見せていた。


女子チームが来るまで落ち着かないドトウ(2022年8月26日)


その後も先に放牧に出たドトウは、道を挟んだ向かいの放牧地に女子チームの先発隊タッチノネガイとタッチデュールがやって来るのを出入り口付近でソワソワと待ち、その2頭が放牧地に入ると安心するのか草を食べ出すという日々が続いた。だが10日ほど過ぎた頃、女子チームを待たずして草を食むようになった。


確かに寂しさはあるのだろうが、食欲が落ちなかったのは幸いだった。飼い葉を用意する音が聞こえると鼻を鳴らして催促したり、夜飼い後のおやつタイムで勢い良く人参を口に入れ、食べるとすぐに次を欲しがる様子は以前と変わらない。


おやつタイム


「お水、ウマ〜い!」と言っているかのようなドトウ


最近フケ(発情)気味のタッチノネガイの手入れ後にドトウの近くに行くと、匂いがするのかブヒブヒと鳴いて馬っけを出している。興奮して立ち上がったりしても困るので、脚元のケア時にドトウの引き手を持つ前は、念入りに手と腕を洗うことにしている。たまたまかもしれないが、そうしてからはドトウはほとんど反応しなくなった。

シャトルは牝馬の匂いに興奮したことはなかったのだが、ドトウは去勢していても本能の部分がまだ残っているのかもしれない。普段の写真や動画で見せるおっとり&可愛いドトウのちょっと意外な一面だが、それもひっくるめて愛おしい存在となっている。


脚元のケア中 前で引き手を持つ前には入念に手と腕を洗って牝馬の匂いを消す


ドトウがシャトルの死を理解しているのかどうかは定かではない。だが動物同士、テレパシーで会話するなどしてわかっているような気もする。当然いつも一緒だったシャトルがいなくなったのだから寂しさはあるだろうが、毎日をドトウらしく生きているようには見える。人間ができることは限られてはいるが、温かく見守っていただければと思う。


寝転ぶメトを気にするドトウ

(つづく)


 

あわせて読みたい



 

協力:ノーザンレイク・認定NPO法人 引退馬協会

文:佐々木 祥恵

編集:平林 健一

著作:Creem Pan

 


Join us !!


bottom of page