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着せるたびに思い出す…タイキシャトルのお下がり馬着


 

北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。

そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、

馬ときどき猫な日々を綴ります。


 


干した馬着を点検するメト


前回、川越が長年勤務していた藤沢和雄厩舎では、馬の手入れ時にはほとんど洗わないと記述したが、改めて川越に聞いてみると、汗をかく夏場とレース後は洗っていたとのこと。それ以外は汗をかいても汚れが酷くても、ひたすらブラッシング等できれいに仕上げていたという。(ただし、皮膚等のトラブルが起きやすい脚元は、きれいに洗って水気を拭き取っていた)


手早くお手入れ タッチデュール、ちょっぴりお怒りモード


藤沢元調教師は、若き日に自らが学んだイギリス式を多く取り入れており、馬を洗わないというのもその1つだったようだ。


泥汚れが酷い日、私が必死に2頭(タッチノネガイと芦毛ちゃん)の手入れしている間に、川越はメイショウドトウ、タッチデュール、キリシマノホシの3頭を終わらせると、さっさと夕飼いの準備を始める。私はといえばまだ芦毛ちゃんの手入れの真っ最中。飼い葉を配るまでには、終わらせなければと焦り気味に作業をする...。こんな毎日が続いている。


手早くお手入れ キリシマノホシ、こちらはサク癖中


また朝晩冷え込むようになり、10月5日から馬房の中で馬たちには薄馬着を着せている。今シーズン着せ始めた翌朝、芦毛ちゃんが早速馬着を破いた。どうしてそうなったかは謎のままだが、仕方ないので、タイキシャトルのものを拝借した。ところが若干サイズが大きかったのか馬着がズレていたので、牝馬のわりにガッチリ体型のタッチノネガイにシャトルの馬着を、ネガイさんの馬着を芦毛ちゃんに着せることにした。そんなわけで、毎日ネガイさんに馬着を着せるたびにシャトルを思い出している。


芦毛ちゃんが破いた馬着


タッチノネガイの馬着を纏う芦毛ちゃんとシャトルの馬着を着たタッチノネガイ


そのシャトルの墓碑が、新ひだか町の二十間道路沿いにある桜舞馬公園(オーマイホースパーク)内に建立され、去る11月2日に納骨式が神道式で執り行われた。種牡馬時代の関係者はじめ、引退馬協会、シャトルのフォスターペアレント会員などが参列。私も参加させていただいた。納骨前にシャトルの遺骨が入った骨壺を抱かせてもらう。シャトルにはたくさんのことを教わった。改めてシャトルに感謝の気持ちを伝えた。会員の方々も、それぞれの思いを込めて抱きしめていた。その姿を目にして、シャトルがいかに愛され、人に喜びを与えてくれた馬だったのかを改めて実感した。


タイキシャトルの納骨式

この馬魂碑に遺骨と遺髪が納められた


タイキシャトルの墓碑


ここには多くの墓碑が並び、名馬たちが眠っている。その中にタイキシャトルという偉大な馬が加わった。機会があれば訪れてみてほしい。


※お供えしたものは、すべてお持ち帰りください。そのままにしておくと野生動物を呼び寄せる原因となりますので、よろしくお願い致します。


(つづく)


 

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協力:ノーザンレイク・認定NPO法人 引退馬協会

文:佐々木 祥恵

編集:平林 健一

著作:Creem Pan

 


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