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設立10周年の節目を迎えたサンクスホースプロジェクト🐎🎗️


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引退馬支援の事業家として業界を牽引する、株式会社 TCC Japan・代表取締役の山本 高之氏が、

「馬のミライ」をつくるための、考えや想いをお伝えします。


皆さん、こんにちは!

株式会社 TCC Japan 代表取締役の山本 高之です。


前回は、競走馬引退後にミライへ繋ぐための 3つの課題についてお話ししました。


それらの大きな課題を解決すべく、2015年に 3つの団体(一般財団法人ホースコミュニティ / NPO法人サラブリトレーニングジャパン / 株式会社 TCC Japan)が連携して、「サンクスホースプロジェクト」を立ち上げました。

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「オープニングセレモニーの様子」


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大きく分けると、競走馬引退後のキャリア形成をサポートする役割と、実際に引退競走馬の受け皿を拡大していく役割というプロジェクト構成です。

今回は、そのプロジェクトの骨子についてお話しします。



1.キャリアパス / キャリアマネジメント

競走馬引退後の不透明な流通を解決するために、まずは引退競走馬の流通をサポートする窓口を設置し、その後の流通を管理していく、いわゆる馬のトレーサビリティの確立を目指しました。

この要素は、実活動や現場をもたない一般財団法人ホースコミュニティが「サンクスホースプロジェクト」の事務局として担当しました。


2.リトレーニング

乗馬施設が各々で行っている乗用馬への転用でしたが、リトレーニング専門の団体・施設を整備し、リトレーニング技術の向上、そして 1頭でも多くの馬をセカンドキャリアへつなぐことを目指しました。

NPO法人サラブリトレーニングジャパンがこの分野を担当し、「ふるさと納税」という画期的な資金源のルートを確立し、現在も毎年多くの引退競走馬をリトレーニングし、セリを開催し、セカンドキャリアへ繋げています。

また近年では、JRA の外郭団体となる TAW が栃木県宇都宮市で同じくリトレーニング専門施設を稼働させ始めています。


「リトレーニングセールの様子」


3.TCC 引退競走馬ファンクラブ

競走馬引退後も競馬ファンとの関わりをつなげるため、会費制ファンクラブをつくり、競走馬のクラブ法人のように一口オーナー制度を設け、自分たちで所有権をもって様々な乗馬施設に預託することで、引退後も気軽に会いに行ける、応援していた馬に関われる形を目指しました。



「TCCホースたちを囲んでのふれあいイベント」


また引退競走馬を通じた馬業界のプラットフォームを実現することで、競馬産業から乗馬産業、しいてはホースセラピーの分野などに馬だけでなく人の交流も生み出し、馬事業界全体の底辺拡大を目指しました。


当時、ホースコミュニティの事務局長を兼務していた私がこの「サンクスホースプロジェクト」の骨子をつくりましたが、もともと私が代表をしています TCC Japan でホースセラピーなど馬の事業を行っていたこともあり、人と馬の福祉活動の一環として、この TCC の事業づくりや運営は TCC Japan が担うことになりました。


「当時のトークイベント」
「当時のトークイベント」

こうして 3社が連携して 2015年に発足した「サンクスホースプロジェクト」も、今年でちょうど 10年の節目となり、先日プロジェクトを主催する一般財団法人ホースコミュニティから活動終了のアナウンスがありました。


「設立 10周年記念式典にて」
「設立 10周年記念式典にて」

この 10年の間、「サンクスホースプロジェクト」を通じてセカンドキャリアへ進めた馬の頭数もそうですが、社会に対して与えた影響、馬事業界のど真ん中から発信してきた影響は計り知れないものがあると思います。

10年前と現在とでは、引退競走馬を取り巻く環境は大きく変わりました。

もちろん、我々だけの功績と言っている訳ではありません。

我々も大きなうねりの一部として、そのエネルギーの一旦を担うことができたと思います。

改めて、先頭に立ってこのプロジェクトを推進していただいた 角居 勝彦 元JRA調教師に、この場をお借りして感謝を申し上げます。



「角居氏との思い出」


もちろん、私たち「TCC 引退競走馬ファンクラブ」の活動は、これで終了するわけではありません。

今までと変わりなく、今まで以上に、今後も 1頭でも多くの引退競走馬を救う活動を続けていきます。


馬を救い、人を癒やす。


今後も様々な場面でこの言葉を実現できるよう、尽力していきます。





Profile

山本 高之(やまもとたかゆき)

株式会社TCC Japan 代表取締役


1980年、滋賀県栗東市生まれ。

大学卒業後、コンサルタント会社での勤務を経て、2006年に東京でITベンチャーを起業。

東日本大震災を機に地域の重要性を感じ、出身地である「馬のまち 栗東」で馬に関わる事業を起こすことを決意。

2015年9月、地域の障がいをもった子どもたちのためのホースセラピー施設「PONY KIDS」を開所。

2019年5月、引退競走馬をセカンドキャリアにつなげ、馬と人の福祉活動を行う拠点「TCC セラピーパーク」、2023年には東京表参道に「BafunYasai TCC CAFE」をオープン。

2025年4月には、滋賀県高島市のメタセコイア並木沿いにTCC初の観光養老牧場 「メタセコイアと馬の森」をグランドオープンし、 引退競走馬を事業で生かす様々な取り組みを展開している。




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文:山本 高之(株式会社 TCC Japan 代表取締役)

編集:椎葉 権成・近藤 将太

著作:Creem Pan


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