馬をミライにつなぐための “お金” について🐎
- Loveuma.

- 8月29日
- 読了時間: 3分

引退馬支援の事業家として業界を牽引する、株式会社 TCC Japan・代表取締役の山本 高之氏が、
「馬のミライ」をつくるための、考えや想いをお伝えします。
皆さん、こんにちは!
株式会社 TCC Japan 代表取締役の山本 高之です。
8月も終わろうとしていますが、相変わらず暑い日が続いていますね。
人馬ともに、皆さんご自愛ください。
さて今回は、前々回の「馬をミライにつなぐためのお金について」のお話に戻ります。
例えば、1頭の馬を20年間 所有すると考えると、1年間150万円として、20年間では3,000万円ものお金が必要になります。
TCCでは、現在 約50頭の引退競走馬(TCCホース)を「終生飼養」を前提に所有支援していますので、考えただけでもゾッとします。

その馬たちに対して、どうやって責任を持って関わっていくか。
それにはまず、「仕組みづくり」が不可欠です。
目の前の数年間という短いスパンではなく、数十年間にわたって様々なお金が必要になってきます。
継続的にお金を生み出す「仕組み(事業)」が必要です。
そして、事業をつくるには「組織」が必要です。
例えば、いま受け入れた 3歳の馬よりも、私の方が先に人生を全うする可能性も当然あります。
その時に馬たちに迷惑をかけないためにも、「組織づくり」が不可欠です。

もちろんそれだけではなく、私ひとりで全てのことが出来るわけではありませんので、様々な役割を担っていく人材が必要となります。
また組織がある程度の規模になってくると、バックオフィスなどの様々な間接的業務も必要になってきます。
馬を所有するだけでも大変なお金が必要になりますが、それだけではなく人件費や馬を飼養するための施設維持費など、様々な費用が掛かってくることになります。
もちろん通常の事業であれば、売上をあげて利益を出してという話ですが、やはりそこは同じ土俵で考えるには無理があります。
大怪我や高齢で働けない馬たちも、守っていかなければなりません。

そのためには、「価値を生み出すこと」と「支援を集めること」の両輪をしていく必要があります。
社会に意義のある活動をして最大の価値を提供すると共に、多くの方に応援をしていただくこと。
これからもこの両輪を最大化し、継続的に「馬と共に社会をゆたかに」できるよう努力していきます。


Profile
山本 高之(やまもとたかゆき)
株式会社TCC Japan 代表取締役
1980年、滋賀県栗東市生まれ。
大学卒業後、コンサルタント会社での勤務を経て、2006年に東京でITベンチャーを起業。
東日本大震災を機に地域の重要性を感じ、出身地である「馬のまち 栗東」で馬に関わる事業を起こすことを決意。
2015年9月、地域の障がいをもった子どもたちのためのホースセラピー施設「PONY KIDS」を開所。
2019年5月、引退競走馬をセカンドキャリアにつなげ、馬と人の福祉活動を行う拠点「TCC セラピーパーク」、2023年には東京表参道に「BafunYasai TCC CAFE」をオープン。
2025年4月には、滋賀県高島市のメタセコイア並木沿いにTCC初の観光養老牧場 「メタセコイアと馬の森」をグランドオープンし、 引退競走馬を事業で生かす様々な取り組みを展開している。
文:山本 高之(株式会社 TCC Japan 代表取締役)
編集:椎葉 権成
著作:Creem Pan


























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