元馬術選手が語る、引退馬問題の解決に必要なコトとは…?by アラシさん
「withuma.」vol.38 アラシさん

Profile
お名前:アラシさん
ご年齢:39歳
居住地:埼玉県
Twitter:@ARASHI3DAYU
第38回は、元馬術選手で、現在はYoutubeなどで活動しているアラシさんです!
いったいどのような「withuma.」を送っていらっしゃるのでしょうか?
アラシさんの「withuma.」

写真はイメージです
私は、乗馬を通じて馬と関わっています。
元馬術の選手で、28歳までに1200鞍を数えていました。
その後”ガチ勢”から引退して、そこから7年間ほぼ乗ることはありませんでした。
そして4年前に35歳で週末健康乗馬を目的で復帰。
健康維持、ストレス解消が主な目的で、現在は週2鞍程度、乗馬を楽しんでいます。
乗馬を始めたキッカケは、元々競馬が好きで、馬に乗ってみたいと思ったからです。
いざ乗ってみると、とても面白くてハマりました。
自分の中で大切にしていることは、基礎・基本に重きを置いて、正しい学科知識を習得すること。
そして毎週欠かさずに通うことです。
私のレベル的にも、乗る馬がほぼ固定されているので、その馬が並みの馬程度の動きを維持できるように調教をつける事が今後の目標です。
"ガチ勢"として、1,200鞍乗られていたとのことで、かなりの上級者とお見受けいたします。
乗馬ライセンス4級は、駆歩、速歩、右手前などを行う人のフェーズかと認識していますが、その段階では、多い人で100鞍くらいこなしていると思います。
毎週土日に1鞍ずつ乗ったとしても、年間で100鞍ほど。
そう考えると、1,200鞍となると、、、すごい数ですね。
ちなみに、一般の乗馬クラブでも、1,000鞍以上の騎乗経験がある人は上級者に部類されるようです。
アラシさんの「Loveuma」

写真はイメージです
乗っていて面白い、というのが最初にあったのは覚えてます。
当初は、馬の魅力や、エピソード的なものもあったかと思いますが、途中から「乗っているのが当たり前」の状態になっていたので、忘れていってしまいました。
私のお気に入りの馬は、メインで騎乗している「D」です。
癖がつきやすいので、他の人が乗るとあっという間に楽を覚えて動かなくなるのですが、頭が良いので再調教しやすいですし、賢い分、意思疎通が出来るのが魅力でもあります。
先にも「乗っているのが当たり前」と言ったように、乗馬はまさに"ライフワーク"といった感じです。
アラシさんにとって、馬に乗ることは生活習慣の一部となっているのですね。
賢い馬はレースでも手を抜いてさぼったり、調教では走らずにレースだけ本気を出したり、そういったことを理解していると、元騎手の安藤勝己さんが言っていたのを思い出しました。
人を見て態度や姿勢を変えるというのも、賢い馬の典型例としてよく挙げられますよね。
そういった意味では、アラシさんの乗っておられる「D」も、乗馬経験が浅い方など、“相手”を見て、楽をしているのでしょうか。
意思疎通ができるのは、馬の大きな魅力の一つですよね。
言葉こそ通じませんが、お互いのシグナルを理解し合えた時は、とても嬉しい気持ちになったのを覚えています。
引退馬問題について

写真はイメージです
引退馬支援としては、普段から乗馬クラブに通い、馬に騎乗していますので、彼らの居場所を作っているということになります。
それから、Twitter等で情報発信をしています。
引退馬問題の解決には、乗り手を増やして需要を高め、受け皿を拡大する事。
これが最も有効だと確信しています。
乗馬クラブで馬に乗ることは、引退馬の需要を生み出しているという意味で、引退馬支援の一つのカタチだと考えます。
そして、アラシさんの仰っている、乗り手を増やして受け皿を拡大することも、とても大切なことだと思います。
どれだけ多くの引退馬を乗馬として送り出しても、需要の部分が増えなければ、元々乗馬クラブに在籍していた古馬などが、ところてん方式で外へ出されるだけです。
乗馬クラブから出されてしまった馬も、広い定義では“引退馬”にあたると思いますし、それでは、引退馬問題の根本的な解決には至らないと考えます。
引退馬を乗馬としてのセカンドキャリアへ送り出すことと、受け皿の拡大、需要の創出も同時並行で行っていかなければならないと感じました。
アラシさんは、Youtubeでも情報発信をされています。
ご興味のある方は、こちらをチェックしてみてください
今回は、元馬術選手で、現在はYoutubeなどで活動しているアラシさんの「withuma.」を伺いました!
毎週定期更新してまいりますので、次回もよろしくお願いいたします!
「withuma.」では、馬にまつわる活動や、その思いについて発信していただける方を募集しております。
リモート取材は一切なく、専用フォームからアンケートにお答えいただくと、その内容が記事になります。
今後も「withuma.」を通して、引退馬問題前進の一助となれるよう、微力ながら馬事産業・文化に携わる人を発信していきますので、是非皆さまからのご応募をお待ちしております!
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協力:アラシさん 取材・文:片川 晴喜 編集:平本 淳也 著作:Creem Pan
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連休中に過去記事も見ておきたいと思って一つずつ読んでいます。
色々な分野の人と馬との触れ合い方がわかって、楽しいことも厳しいことも教わるものがたくさんあります。
その中でこのアラシさんという人の記事だけちょっと不思議。浮いてる?
ウィズーマは「あなたと馬のコトを記事で紹介」と言ってるのに、この人の記事だと「あなた」も「馬」も実像が全然見えてきません。写真まで借り物って。どこかのストックフォトから取ってきたんでしょうか?
アラシさんの騎乗を実際に見たことがある人、いますか?
単純に乗馬人口と馬房数を増やすだけでは、引退馬の余生支援が全うできないのも事実ですね。
クラブからトコロテン式に出される馬や、そもそも人が乗るという選択肢のない馬の受け皿こそが、実は一番求められているのかもしれません。
屠畜という最も安直な解決策に頼る前に、彼らを「生きた資源」としてどんな場所でどのように活用していけるのか? 乗馬界の事情に詳しい(のですよね?)アラシさんのような方々のご意見も引き続き注視していきます。
「全頭救えないのだから引退馬支援は無意味」と考える “all or nothing” の声も根強くありますね。これに対しては、(以前にもコメントしましたが)今一度お医者さんの喩えを挙げておきたい。:
癌や難病の人を全て救うことはできないからという理由で、今、目の前にいる一人の患者さんの治療を放棄する医者はいません。
引退馬支援も、まずは縁あって出会った目の前の一頭を生かすことから始まります。
(ここで「一頭や二頭の命を救っても意味なし」という人は、自分が病気になったときに「あなた一人治してあげたって人類が全員助かるわけじゃないからね👋」と病院で治療を断られても文句は言えない😓)
病気の撲滅も引退馬の全頭福祉も、人間だからこそ持つことができる、星の如く高い理想です。
一朝一夕で実現できるはずはなく、さまざまな試行錯誤を重ねて知見と方途を地道に獲得しながら、志ある人々が世代を超えて星との距離を縮めてゆくのです。
「乗っているのが当たり前」の状態になると、以前の騎乗馬に関する魅力やエピソードは「忘れていってしまう」ものなんでしょうか?
だとすると、数千数万鞍(?)は乗っておられる武豊騎手などが個々の馬のエピソードをいくつも覚えておられるのは、すごい記憶力なんですね。
YouTubeを拝見しました。
競馬予想をされているんですね。
Twitterを拝見しました。
「リトレに引退馬支援の効果は殆どない。」というお考えなのですね。
効果なしと考えておられる理由は「馬房が純増しない以上、行った先にいる馬が押し出されて廃用になるだけ。ここを分かってない人は確かに相当浅いと思う。」とのこと。
ちなみにこのご意見(↑)は、本年2月5日、アカウント名「コージ・フェリックス」さんの同趣旨のツイートへの同意コメントです。
コージ・フェリックスさんは、プロかアマかは不明ですが乗馬と調教経験のある(らしい)一口馬主さんだそうです。
2021年にある地方馬主さんと株式会社馬事学院の代表が行ったクラウドファンディングの引退馬支援プロジェクト(肥育場からの買取りとリトレーニング)について、ノンフィクションライターの片野ゆか氏が『セカンドキャリア ~ 引退競走馬をめぐる旅』というweb連載(集英社)の第14回で紹介されているのですが、コージ・フェリックスさんはそのクラファン・プロジェクトに強い拒否反応を示した一人でした。
Twitterに曰く:
〈教材としての馬をクラファンで資金調達して買ったついでに売名し、肥育場は次の馬はすぐに入ってくるから何も困らずむしろ仕入れたばかりの馬を即転売できたら儲かり、クラファン参加者は何かいいことをした気分になれる。三方良しといえばそうだな。すごく嫌なやり方だけど〉(2023.02.05)
このトピックでの一連のツイートに対する片野氏の返信は以下のとおり:
〈押し出されてしまう馬の存在も大きな問題です。活躍して繁殖に進んでも、その先がない馬も少なくありません。引退競走馬支援については昨年11月の競馬法改正で付帯決議に記載もされ、今後はJRAはじめ業界全体で取り組む課題になります。熱心な競馬ファンの意見や希望、アイデアもお聞きしたいです。〉(2023.02.05)
いずれも参考になるツイートです。
(ただ、投稿者と返信者で引退馬問題に対する意識差が50年ぐらいある😮ような気がしませんか?)
引退競走馬の再就職を考えるにあたって乗馬人口の増加はもちろん望ましいことですが、近年の引退馬支援者の多くは、セカンド/サードキャリアを終えた「馬生の最終ステージ」こそ福祉面で充実した環境であるべきだと考えているように思います。
人が乗らない状態での引退馬の継続的な利活用を模索し、乗馬クラブの馬房を増やすことの更に先を見すえているわけです。
お気に入りの馬「D」が乗馬クラブの仕事から引退するとき、アラシさんは彼/彼女にどんな次の馬生を望まれるのでしょうか? それとも「乗馬クラブで乗る」というかたちで支援は十分に果たしたと満足して、心おきなく肥育/屠畜施設へ送り出されるでしょうか?
また機会があれば、withuma.で語っていただければと思います。