top of page

ドトウ大苦戦!鎮静剤を打ってでも…馬の命を守る“整歯”とは


 

北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。

そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、

馬ときどき猫な日々を綴ります。

 


季節の変わり目も草に夢中なドトウと柵渡りに余念がないメト


ここのところ馬たちの身体のメンテナンスをしている。

まず9月28日に駆虫薬(エクイマックス)投与。獣医のアドバイスにより、各馬の糞を日高家畜保健衛生所に提出して検便をしてもらい、虫の卵が確認された場合にその虫に合った駆虫剤を与えるという方法を時折取り入れつつ、駆虫剤も定期的に投与するようになった。ちなみに春に行った検便では、タッチデュールと芦毛ちゃんに虫の卵が多く出たため、この2頭にのみ駆虫剤を与えている。


駆虫剤(今回はエクイマックス)


駆虫剤を投与、喉を抑えて揉んで飲み込ませる(馬はキリシマノホシ)


また以前からメイショウドトウの噛み返しが気になっていたこともあり、これを機に全頭整歯してもらうことにした。まずは10月3日にドトウと芦毛ちゃん。


整歯前に口をゆすぐドトウ


獣医が最初にドトウに鎮静剤を注射する。効いてきたところで口をゆすぎ、口の中に手を入れて歯の状態を確認。ドトウの場合、歯の高さが不揃いで波打ったような歯並びになっているので、しばらく整歯していなかったのではないかとのこと。実際私も手を入れて確認させてもらったのだが、波打っているのがよくわかった。その後、開口器を口にはめて、電動の機械で歯を削る。若い馬ならまだ歯も柔らかいので手動でも大丈夫だが、年齢を重ねるにつれ歯も硬くなり、手動では削るのが困難な作業になってくるようだ。


開口器で口を開かれ、機械で整歯中のドトウと芦毛ちゃん


川越が厩務員時代は、獣医師が手際良くやすりで歯を擦っていたそうだが、それは引退馬の牧場に比べて、若い馬が多いから時間も要さずにできたということかもしれない。ちなみにキリシマノホシは私たちが引き取ってから過去3回、手動で歯の調整を行っているが、初回(11歳)以外はかなり苦労してやすりを動かしていたと記憶している。(2回目は13歳、3回目は14歳)


キリシマノホシを引き取った初回(2017年6月4日)


手動での整歯の道具


キリシマノホシ2回目(2019年5月18日)


ドトウは電動でもかなり時間を要したが、芦毛ちゃんは2020年11月に調整していることもあり、ドトウの半分の時間で終了した。

翌10月4日は、キリシマノホシ、タッチデュール、タッチノネガイの3頭。キリシマノホシは、結構尖っている歯があったが、わりと頻繁に調整しているのでさほど時間はかからなかった。タッチノネガイも芦毛ちゃんやキリシマノホシとともに、一昨年整歯していたので、あっさりと終わる。この日、時間を要したのがタッチデュール。ドトウと同じくしばらく整歯をしていなかったのではないかとのことだった。

余談だが、鎮静剤が切れるまで頭を下げてボーッとしている馬の姿は気の毒にも映るのだが、ちょっと笑えもする。(機嫌がコロコロ変わり、すぐに耳を背負って怒るキリシマが、全く無抵抗なのが特に笑える)


整歯が終わった芦毛ちゃん。鎮静剤がまだ効いていて、ボーッとしている


はじめの3頭は鎮静効果で、うなだれるようにしてボーッとしている。前日に終えた芦毛ちゃんとドトウはご飯待ち


こうして2日に渡って行われた整歯も無事終了した。馬たちにしてみれば、口に機械を入れられて、抵抗したいのに鎮静剤が効いていて思うように体を動かせないという、もどかしい状況だっただろう。だが歯の状態が悪ければ、よく噛むことができないので、それが疝痛の原因にもなる。疝痛が命取りになりかねない馬にとって、整歯は重要だと再認識させられた2日間だった。



ドトウも女子チームも、整歯して、これまで以上にしっかりと食べられそうです



寄付のお礼


前回、ノーザンレイクの寄付口座をお知らせしましたところ

見学時の募金も合わせて、たくさんのご寄付を頂戴致しました。本当にありがとうございます。ご寄付につきましては、定期的に収支報告を致します。馬と人が快適に過ごせる牧場を目指していきますので、今後ともよろしくお願い致します。


また口座振込でご寄付いただきました方々にお礼のメールを差し上げたいと思っております。

可能であれば、寄付された旨を下記アドレスまでお知らせいただけますと幸いです。