外乗とは道草する馬との闘いでもある件について🐴
- Loveuma.
- 6月24日
- 読了時間: 4分
更新日:3 日前

馬のような謎の四足歩行生物「UMA」の産みの親である
イラストレーター・鷹月ナトが、
日頃の制作活動の舞台裏や、馬への愛を書き連ねる連載です。
外乗オフ関東編。カウボーイコース組から。
カウボーイコースは経験者向けのコースで、駈歩を織り交ぜながらのコースとなる。
経験者面子3名は乗馬検定3級取得者だったり、学生時代に馬術部だった方等、私より回数を重ねた方々だ。一番後ろの胡桃ちゃんに乗るKさんがGoProを装着して様子を撮ってくれたのでそれに合わせて見ていこう。

まずは大和ホースパークさんの敷地内にある馬場で軽く動作を見る。
常歩、速歩、停止の様子を見て、問題なさそうということで鐙を調整したあといざ出発。
後ろからもう一人のスタッフさんが軽トラで追いかけてくれながら進行していく。
洗い場からすぐ左に森が広がっており、整備された道を進んでいく。
森林浴をしながら重種の馬に乗り、カポカポと進んでいく。重種の馬に乗る機会自体中々なく、基本的にはサラブレッドや乗用種が多いため新鮮な感覚で乗馬をしている気持ちに。

胡桃ちゃんに乗っているKさんだが、胡桃ちゃんが割と重いのか5m以上間が空いているため、適度に足の扶助や舌鼓で促しているが、中々進んでいかないようで距離感がある。だがそれもまた外乗の醍醐味であったりご愛敬でもある。

敷地内を出て森を抜けると田園風景が広がる。一気に視界が開けたような感覚だ。
生憎のどんよりとした雲ではあるが、降ってないだけ全然マシだ。あぜ道を常歩、速歩で進みながらこののどかな風景を楽しむが、油断は禁物である。
油断とは?
そう

隙あらば道草
Yさんの乗る武竜くんは道草の動作が中々洗練されており、一瞬の隙にグッと頭を下げて脇や下にある草をヒョイッとむしり取る。ついつい開けた田園風景に気が緩んだ最中に起きる道草。
あまりの所作の速さに慣れてる人でなきゃ見逃しちゃうねと言ってしまいそうな具合。
前の様子を見て行けると思ったのか、次は真ん中にいる桜ちゃんも真似て頭を下げて食べようとする。
そう、外乗とは道草する馬との闘いでもあるのだ……
(道草を推奨しているクラブもあるが、基本的には仕事優先させるためにも道草をさせないようにしてくださいとしている場合が多い)
しかし食べようとする時なんとなく直前の動作があるので、慣れると事前に回避させることが出来る。ただ重種馬というのもあり、パワーが凄い。一回されると背筋腹筋を使って持ち上げていかないといけないので、道草コンボが決まってしまうと中々に大変である。
雨の影響であぜ道には水たまりが残っている。それを避けたりしながらすべらないようにカポカポ歩いていく。

アスファルトに乗り、さらに蹄の音は高い音を上げる。田んぼは田植えを終えた後くらいだろうか。綺麗に並べられた青々とした稲たちの景色は気持ちが良い。馬に乗りながらであればなお格別だ。
あぜ道に戻り、駈歩ゾーンに入ったようで一気に駈歩していく。途中途中速歩になったりしつつも前に追いかけていく。また常歩に戻って先導するスタッフが声をかけながら風景を眺めて進んでいく。
田んぼのあぜ道を使いながら大きく迂回したあと、大和ホースパークの敷地内の方まで戻っていく。動画の途中で本格的に雨が降り始めたようで横殴り気味の雨がカウボーイ組を襲う。
防水のジャケット等を着てはいるため全身浸水してべっしょりとまではならないが、中々冷える。馬たちは放牧されてる経験もあってか、へっちゃらな様子で関係無しに進んでいく。頼もしい限りだ。

敷地内に戻っていくカウボーイ組。
実は大和ホースパークの敷地内の森の中には手作りのツリーハウスがあるのだ。そこに向かっていき、一度馬に降りたらコーヒーブレイクをする。
(ツリーハウスの部分については次回のトムソーヤコースでの話で行う予定です)
一息つき、温かいコーヒーも飲んで回復が出来たところで、再び馬の上へ。
敷地内の森を歩きながら最初の出発地点まで帰っていく
帰る時は馬たちも仕事が終わるのをわかっているようで妙に足取りが軽い。さっきより胡桃ちゃんが桜ちゃんに近い気がした。
だがしかし、油断は禁物である。

隙あらば道草:リターンズ
今回の桜ちゃんはがっつり食い始めて、桜ちゃんに乗っていたNさんは必死に上げようとするも中々苦労。先導のスタッフも気が付き「大丈夫~?」と声をかける。
笑いつつ、頑張れと掛け合いながらもうひと踏ん張り。顔をようやっとあげてくれたので改めて進んでいくと、また食べる!なんと手ごわい…
最後にまた森の中の直線に距離が延びたところを駈歩して、無事帰還。
馬から降りて仕事をこなしてくれたひとときの相棒に愛撫する。後半は雨が本格的に降りはじめたりはしたが、楽しく終えれたようだ。
早めの昼食を終えたトムソーヤ組とバトンタッチ。
次回へつづく
文:鷹月 ナト
編集:椎葉 権成・近藤 将太
著作:Creem Pan
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