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そこをおどき!女番長・キリシマノホシ


 

北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。

そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、

馬ときどき猫な日々を綴ります。

 


 茨城県から新冠町に、キリシマノホシとともに引っ越してきて、引退馬牧場を始めて間もなく丸2年。ようやく牧場入口に看板を掲げることができた。


念願の看板 このデザインに一目惚れ


 分かりやすいように、すぐにでも設置した方が良かったのかもしれないが、他にもやるべきことや必要なものがたくさんあり、看板まで手が回らないまま時間が過ぎてしまった。


 だがこの7月から日にちや人数を限定しての一般の見学者受け入れ再開が決まり、その方々が他の牧場に迷い込んだりせず、すんなりノーザンレイクに辿りつくにはどうしたらいいのかを考えるようになった。その結果、看板を設置するのが良いのではないかという結論に至った。


 知り合いに紹介をしてもらった看板屋さんが送ってきたデザインを目にした瞬間「カッコいい!」と川越が声をあげた。値段が少し張ったが、少々高くても気に入ったデザインにした方がテンションも上がるような気がしたので、思い切って注文。 6月22 日に看板が設置された。

緑に映え来訪者の眼にもつきやすい


 ノーザンレイクという牧場名について、以前知人に「ノーザンファーム」と「レイクヴィラファーム」を合わせたような名称だとからかわれたことがあるのだが、元々は釣り好きが高じて川越が始めたルアーなどを扱うネットショップの名称だった。


 川越が中学2年生くらいの時にルアーフィッシングで初めて魚を釣ったのが、生まれ故郷の北海道新冠町にある新冠ダムだったというのが、ノーザンレイクをショップ名にした由来である。

川越デザインのジュラルミンスプール 看板もこの字体に


 そしてその新冠町で引退馬の牧場を営むことから、牧場名もショップ同様ノーザンレイクとし、スッキリ聞こえるようにあえてノーザンレイクの後にファームや牧場はつけなかった。


 看板の字体は、ネットショップで扱っていたノーザンレイクオリジナルのジュラルミンスプールに使ったものと同じものにしたのだが、これがまた看板のブルー地に合っていてなかなか見映えがする。


 SNSに看板の画像をアップすると、たくさんのコメントがつき好評だった。


 「せっかくカッコいい看板が立ったのだから、それに見合うような牧場にしていかなければ」と川越は、見かけ倒しならぬ看板倒れにならないよう、意気込むと同時にプレッシャーも感じているようだ。

キリシマノホシのお手入れ中の川越 嬉しそうな笑顔


 看板と言えばノーザンレイクには看板娘と看板猫がいる。看板娘は、愛馬キリシマノホシ。もう5年以上の付き合いとなる。

放牧地で気分良さげなキリシマノホシ


 茨城県時代は私たちが友達であり家族であったが、今ではすっかり女子チームのボス。キリシマが歩けば、他の馬たちが避ける。その姿には貫禄すら感じる。映画「今日もどこかで馬は生まれる」にも出演しており、すっかり女優気取りなのかもしれない。

タッチノネガイにどきなさいよと蹴散らすキリシマノホシ


ナンバー2の芦毛ちゃんの後ろから悠然と現れタッチノネガイに圧ををかけるキリシマノホシ


映画「今日もどこかで馬は生まれる」の出演シーン


 看板猫はSNSですっかり人気者になったメト。見学者もメトに会うのが楽しみのようで、見学の途中でメトが登場すると、皆もれなく写真や動画を撮っていく。メトもまた、自分の役割をわきまえていて、見学者たち1人1人にスリスリしたりと、サービスをするのだ。キリシマが見知らぬ人には愛想がない分、メトがそれを補っているという形だ。

見学者の肩に乗ってサービス中のメト

誰か来ないかにゃと見張り中のメト


 7月3日からしばらく休止していた一般見学者の受け入れが始まった。(7月、8月の見学予約は定員に達しています)人に見られることを意識しつつ整備を続け、馬も人間も快適に過ごせるように、時には看板娘や看板猫の力も借りながら、看板に見合った牧場にしていきたいと思っている。

(つづく)


 

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協力:ノーザンレイク・認定NPO法人 引退馬協会

文:佐々木 祥恵

編集:平林 健一

著作:Creem Pan

 


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