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今の日本競馬とは全くの別物!?知れば知るほど面白い「樺太の競馬」 by ハレかわさん


「withuma.」vol.77 ハレかわさん


Profile

お名前:ハレかわさん

居住地:愛知県 X:@harekawa

 

第77回は、「樺太の競馬」を調査し、この度同人誌を発行された、ハレかわさんです。

いったいどのような「withuma.」を送っていらっしゃるのでしょうか?

 


ハレかわさんの「withuma.」

写真:本人提供


個人の同人サークル『ハレハレトリップ』で樺太の競馬に関する同人誌を執筆しています。


弊サークルでは、以前より樺太・サハリンに関する同人誌を執筆していましたが、冬のコミックマーケット103に向けて「ロシアへ渡航できないご時世なので、サハリンへ行かなくても書ける内容で一冊書く」ことを目標として新刊を制作することに。

当時の私はウマ娘から競馬に興味を持ち、一口馬主も始めていました。

そのため2023年10月より、以前から興味があった樺太について、「樺太の競馬はどんな内容だったのか?」、「今の競馬と、どう違うのか?」というテーマで調査を開始。

すると、かつては日本人が樺太でも競馬を開催していたことを知り、いざ調べてみると奥が深く、「まとめてみたら面白いのではないか」と考えたのが、執筆活動を始めたきっかけになります。


写真:樺太・豊原の競馬場が写っている絵葉書(本人提供)


活動においては、樺太の競馬をまとめた資料として正確な情報を記すことはもちろんですが、樺太の競馬の魅力をいかに伝えるかを大切にしています。

日本人は戦前から日本各地だけでなく、台湾、樺太、朝鮮、満洲といった外地でも競馬を開催していましたが、その全貌はあまり知られていません。

実は、樺太の競馬は今の日本の競馬と全く違う競馬が行われており、些細な事でも面白いと感じる内容がたくさんあります。

例えばレースの出走馬は事前に能力検査を受け、十分な競走能力があると判断されれば本来のオールカマーのように馬の品種によらず出走可能でした。

また、一部は農用馬限定戦等のレースも開催されていました。


今はまだ調査を始めたばかりで、昨年冬に書いた新刊では導入号という形での紹介にとどまりましたが、今後さらに調査を進め、全貌が明らかになるようにまとめ上げていく予定です。

最終的には樺太の競馬を一冊にまとめた完全版を執筆したいと考えています。

 

元々興味を持たれていた「樺太・サハリン」と、ウマ娘をきっかけに趣味となった「競馬」が掛け合わさったことで、今回の出版物『樺太の競馬 概説』が生まれたのですね。


また、樺太の競馬は、競走能力さえあれば品種に関わらず出走することが可能だったのですね。

農用場限定戦は、今でいう「ばんえい競馬」のようなものになるのでしょうか。

そりを引かずに、人が乗って競走するパターンも考えられますし、とても興味深いです。


以前、withuma.『キングヘイローのおかげで就職!? 執筆、台湾競馬、馬主、引退馬支援…盛り沢山の馬人生 by ホリ・カケル』にご登場いただいたホリ・カケルさんも、台湾の競馬について研究されていましたが、日本統治下にあった諸地域で行われていた競馬を調査・研究されている方は、私の周りでも聞きません。

ですが、競馬の歴史を知る上では、非常に大切で面白い分野だと個人的に思っており、「完全版」の発表が今から待ち遠しくて仕方ありません。


ハレかわさんが制作された『樺太の競馬 概説』は、先のコミックマーケットで販売されていたものですが、通販でも取り扱われています。

大変興味深かったので、私も購入させていただきました。

気になる方は是非チェックしてみてください。

 

ハレかわさんの「Loveuma.」

写真:本人提供


私にとって、競走馬は意外と身近な存在です。

SNS等で引退馬が度々話題になりますが、北海道に行かないと会えないと認識している人は少なくありません。

しかし私の地元、愛知県の乗馬クラブ「馬池4丁目乗馬倶楽部」にも、エムエスワールドやマックロウといった重賞勝馬が繋養されており、同クラブにはサラブレッド以外の馬もたくさんいます。


写真:本人提供


そんな私のお気に入りの馬は、ヒシアンデス号です。

競馬に興味を持つようになってから初めて会った馬の一頭で、とてもやんちゃな性格で、初めて会う人にも積極的に"ちょっかい”を出して遊んでくる様子が印象的でした。

馬を観察していると個性が見えてきて全く飽きませんし、それが魅力だとも感じています。

彼は私にとって「馬に興味を持ったきっかけ」です。

 

おっしゃる通り、元競走馬は日本全国にいますよね。

手元で調べてみたところ、全国乗馬倶楽部振興会によれば、同会に加盟している施設は全国で約280件程度あり、その内北海道にある乗馬クラブは僅か21件に過ぎません。

もちろん、牧場や種牡馬がいる施設は北海道に多いですが、道外にも沢山の引退馬が暮らしていることがわかります。


ヒシアンデス号、皆さんご存知ヒシアマゾンの産駒ですね。

残念ながら昨年亡くなってしまったそうですが、競馬では未勝利ながら多くの"濃い”ファンを持っていた馬でした。


馬は一頭一頭に個性があって、馬同士のコミュニケーションや、放牧地・パドックでの様子など、いつまで見ていても飽きないですし、私も大きな魅力の1つだと感じています。

 

引退馬問題について

写真:本人提供


引退馬問題の解決には先述した通り、競走馬が身近な存在であることを知ってもらうことが大事だと思っています。

引退馬支援の仕組みを知ってもらうためには、まずは馬に"ふれあえる”きっかけが必要と考えています。

 

おっしゃる通り、今の日本は昔と比べると、馬と人の距離が遠ざかってしまっています。

その分、馬にふれあう事のできる機会も少なく、なかなかその魅力に気付けないところもあるかもしれません。

競走馬も、現役中は検疫の関係などで会うことが難しいですし、「ラチの向こう側の存在」というイメージを持たれている方も多いように思います。

ですが、ひとたび引退すれば、案外近くの乗馬クラブに入厩していたりするものです。

きっかけという意味では、我々からのリサーチも必要ですし、飼養管理者側の発信も大切だと考えます。

私たちが乗馬クラブに訪れ、彼ら引退馬に仕事の機会を与えることで、「必要とされる存在」として長く乗馬を続けられるチャンスを作れるのではないでしょうか。

引退馬問題の解決に関する定義は様々ありますが、引退馬のセカンドキャリアを支える、受け皿を増やす、寿命を延ばすといったような点では、とても大切な行動であると個人的に考えています。

 

 

今回は、「樺太の競馬」を調査し、この度同人誌を発行された、ハレかわさんの「withuma.」を伺いました!

毎週定期更新してまいりますので、次回もよろしくお願いいたします!


 

「withuma.」では、馬にまつわる活動や、その思いについて発信していただける方を募集しております。


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協力:ハレかわさん 取材・文:片川 晴喜 編集:椎葉 権成 著作:Creem Pan

 


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