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ナイスネイチャが余生を導いた⁉︎ みんなが慕う群れのボス、ハギノハイブリット! vol.46



 

かつて観衆を沸かせた名馬の"今"を紹介!

走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。

全国で暮らす、名馬の個性と"今"を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!


今回のコレクションは、2014年の京都新聞杯(G2)などを制した、ハギノハイブリッド!

 

現在は、鹿児島県湧水町にある、特定非営利活動法人ホーストラストで暮らしているとのこと。

そのお世話をしている松本さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!

 


松本 美純さん

特定非営利活動法人 ホーストラスト


ウマ歴:8年

出身地:大阪府

趣味:絵を描くこと、自転車

休日の過ごし方:馬に乗ったり、愛猫と一緒にドライブに行ったり、動物三昧です!



ハギノハイブリッド

ニックネーム|ハイブリッド、ハギさん

生年月日|2011年2月21日

生産者|社台ファーム

馬主|日隈良江

戦績|27戦4勝(2着4回,3着3回)

獲得賞金|1億4,899万円(中央)

主な勝鞍|2014年 京都新聞杯(G2)

父|タニノギムレット

母|ハッピーペインター

母父|トニービン

ここにきた日|2022年10月22日

 

少数精鋭が生み出した傑作

ハギノハイブリッドは、北海道苫小牧市に所在する育成牧場/コンサイナー、パイオニアファームの出身馬。

同場の従業員は10名前後と少数精鋭の牧場ながら、仏2000ギニー(G1)やBCマイル(G1)を制したカラコンティの育成を手掛けるなど、確かな技術で結果を残しています。

 

ここで競走馬としての基礎を磨かれたハギノハイブリッドは、2013年にデビューし、同年末の2歳未勝利で初勝利を挙げると、翌年4月には新緑賞(3歳500万下、現・1勝クラス)を快勝してオープン入りを果たします

 

名脇役・サウンズオブアースを下す

次走、京都新聞杯(G2)に3番人気で出走した同馬は、中団追走から直線で外に出されると、前を行く馬を続々と交わして行きます。

そして直線半ば、後に名脇役として多くの競馬ファンを沸かせるサウンズオブアースが抜け出しを図るところに、外から脚を伸ばしたハギノハイブリットが追いすがり、最後は1,1/4馬身差し切って1着でゴール。

条件戦からの連勝で初重賞制覇を果たし、見事ダービーへの切符を手にしました。

 

しかし、期待を胸に挑んだ日本ダービー(G1)、菊花賞(G1)では見せ場なく敗れ、クラシック制覇が叶わなかったハギノハイブリッド。

以降は惜敗こそするものの白星を挙げることができず、2016年のアイルランドT(OP)では約2年半ぶりの勝利を果たして重賞馬の意地を見せるも、2019年1月に競走馬登録を抹消となりました。


第62回 京都新聞杯(G2) 2014.5.10 京都 晴・良 芝2,200m 18頭

着順

馬番

馬名

性齢

騎手

タイム (着差)

単勝オッズ (人気)

調教師

1

ハギノハイブリッド

牡3

秋山真一郎

2:11.0

7.1③

松田国英(栗東)

2

サウンズオブアース

牡3

浜中 俊

1.1/4

13.7⑧

藤岡健一(栗東)

3

ガリバルディ

牡3

福永祐一

ハナ

8.9⑤

藤原英昭(栗東)

4

シャドウダンサー

牡3

武  豊

クビ

3.5①

角居勝彦(栗東)

5

ミヤビジャスパー

牡3

池添謙一

3/4

6.1②

笹田和秀(栗東)


「ナイスネイチャ」が導いた余生

その後は、新ひだか町のアロースタッドで、オーナーのプライベート種牡馬として大事にされてきたハギノハイブリッドですが、2022年の種付けを最後に種牡馬を引退しました。

 

転機となったのは、2021年に行われた「ナイスネイチャ・33歳のバースデードネーション」でした。

これは認定NPO法人 引退馬協会が行っているドネーションイベントで、ナイスネイチャの誕生日である毎年4月16日から約1ヶ月開催され、集まった寄付金で引退した種牡馬を受け入れるなど、その年ごとに決められたテーマをもとに引退馬支援を行っているものです。

 

この年の同イベントでは、支援者16,296人から計3,582万9730円に上る寄付が集まり、ハギノハイブリッドが種牡馬生活を送っていたアロースタッドを運営する株式会社ジェイエスからの紹介で、「ナイスネイチャ・33歳のバースデードネーション」の15頭目の受け入れ馬として、同馬は引退馬協会のフォスターホース(所有馬)となりました。

 

そして2022年10月、アロースタッドから中継地の乗馬倶楽部イグレット(千葉県)を経て、鹿児島へ移動してきたハギノハイブリッドは、引退馬協会からの預託馬として、ここで"のんびり"と余生を送っています。

 


 

栗毛の派手な大流星というアイドル要素に加え、かしこさ☆4のクレバーな頭脳の持ち主という、まさに「才色兼備」な馬なのですね!

 

担当している松本さんに、ハギノハイブリッドの"印象的なエピソード"を聞いてみました!

 

「気が強い群れのボスを務めてくれ、群れの皆をまとめてくれるしっかり者です!

ヤンチャな馬に対してはハイブリッドがしっかり怒ってくれ、群れに馴染めない子がいると、その子に寄り添ってくれるんです!」

 

ハギノハイブリッドは、ズバ抜けたリーダー力を持つ群れのボスなのですね!

自分のすべきことを理解して行動できるところが、かしこさ☆4の個性をよく表しているなと感じました!

 


 

父譲りの派手顔イケメンなハギノハイブリッド


黄金に輝く栗毛の馬体


引退馬協会フォスターホースのディープスカイ、クレスコグランドと同じく、栗毛の鼻梁白の派手な顔が印象的です。

 

ディープスカイクレスコグランドも『引退馬コレクション』に登場していますので、興味のある方は、ぜひご一読ください!


ニンジンを頬張るハギノハイブリッド


ハギノハイブリッド(左)と、仲良しのリッカギムレットー(右)


ハギノハイブリッドはジェントルマンで、女の子からモテモテ!♡

そんな中でもギムレットちゃん(リッカギムレットー)は、ハイブリッドに猛アピールして、ハイブリッドもギムレットちゃんのことが大好きに♡

乾草などはギムレットちゃんとだけ、一緒に食べているようです!

 

そして写真からも分かるように、ハギノハイブリッドは4本の脚すべてが膝から下が白い「四白(よつじろ)」の持ち主!

面積も大きい、いわば"ハイソックス"で、顔だけでなく全身が派手なところも同馬の魅力です!


ハギノハイブリッドは頼れる群れのボス!


「ハイブリッドは群れのボスをしており、お調子者のセン馬に対しては『調子乗るな!!』と怒っていますが、基本的にはみんなに優しいですよ!」

と、担当の松本さん。

 

時にはメリハリを利かせることもあるそうですが、普段は穏やかに、みんなをまとめているそうです。

同じ放牧地には、被災馬フォスターホースのハーモニィチトセチャンもいます。

 

人にも馬にも優しいハギノハイブリッド。

これからも皆様に愛され、見守ってもらえたら、とても嬉しいです!

 

松本さん、ハギノハイブリッドのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!

なお、ハギノハイブリッドが暮らすホーストラストさんの見学は、季節を問わず、事前予約制となります。

※前日までにホーストラストへ事前連絡が必要です。

※団体予約は3日前までにご連絡をお願いします。

 

詳細は競走馬のふるさと案内所の情報をご確認ください。

 

「競走馬のふるさと案内所」ホーストラスト

 

また、ハギノハイブリッドが送る日々の様子は、引退馬協会が毎月発行している「鹿児島だより」からもご覧いただけます。

ハギノハイブリッドの余生を支えてくださる「フォスターペアレント」会員様も募集中ですので、ご興味のある方は、ぜひチェックしてみてください!

 

引退馬協会「鹿児島だより」

 

そして、ホーストラストさんのSNSからも、ハギノハイブリッドの姿をチェックできるので、ぜひフォローしてみてください♫

 

WEBサイト|https://horse-trust.jp


協力:認定NPO法人 引退馬協会

   特定非営利活動法人 ホーストラスト

取材・文:片川 晴喜

デザイン・編集:椎葉 権成

監修:平林 健一

制作:Creem Pan

著作:Creem Pan・GJ


 


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1 Comment


ハギノハイブリッドはタニノギムレット産駒ということで気になっておりましたが、引退馬協会のたよりでは2か月でボスになったと書かれる彼。流星だけでなく賢さや強さ、ボスとしての素質ももしかして父親譲りなのでしょうか。太い流星と四白はどこにいてもすぐに分かりそう。

今は同じギム産駒のギムレットーと仲がいいのも不思議な縁を感じます。

そういえばそんな彼が集団放牧され始めたばかりのころ、なかなか加わることができずにいたところを誘ってくれたクイーンちゃんとは今も仲良くしてるのかな?

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